いきなりプロポーズ!?
「あなた、部屋、変わって」
「え?」
「あなたの部屋、スイートなんでしょう?」
「ええ、まあ」
「キッチンついてる?」
「ええ」
「じゃあ冷蔵庫も?」
「ええ」
「バスは? バスタブはついてる?」
「ええ」
「ソファは」
「6人掛けのセットがありますけど」
黒髪が見えない黒髪Bは矢継ぎ早に質問すると、今度はジャッキーチェン茶髪Aが首を突っ込んできた。
「なんなの、この差。私たちの部屋、普通のツインなの。しかも3人だからエキストラベッド入れて。ソファなんか部屋の隅にまとめられて座る状況じゃないのに。キッチンどころか冷蔵庫もないの。同じ料金払っててこんな格差、ある? 平等にするべきじゃない? 民主主義の精神に反すると思うの」
3(ABC)対1(私)の時点で民主主義から外れてると思う。しかしそんな雰囲気ではないので喉元で留めておくこととする。3人とも怒りオーラを漂わせて、無駄にHPはだけは高そうだ。
「平等じゃないわよね?(C)」
「ええ、まあ(私)」
「なら最終日だけ変わって(B)」
「そんなこと言われても(私)」
「あなただけでいいから(A)」
「は?(私)」
「タツヤはそのままでいいから♪ 気にしないでね(C)」
「ちょ……それってただ達哉と同じ部屋に泊まりたいだけじゃない!(私)」
「別にあなたには関係ないでしょ(B)」
「か、関係……(私)」
「ないでしょ? だって、ねえ?(A)」
そこまで話が進むと3人は互いに目を合わせながら、ねーねー!、とうなずき合っている。
「だって恋人じゃないんでしょ? なら私たちがタツヤと泊まっても問題ないじゃない(A)」
「今朝、レストランで言ってたじゃない。ねえ、赤の他人なんでしょ?(B)」
「タツヤなもっといい女、買えるのにさ(C)」