いきなりプロポーズ!?
 か、買える? この無駄にHPが高い3人は私が達哉に買われた娼婦だとでも思ってるのか! 失礼な! それは私に対しても達哉に対しても失礼極まりないではないか!!


「部屋は変わりません! 断固として変わりませんっ!」


 私が抵抗力すると3人はニヤリと笑った。


「じゃあ、あなたたちのこと、ばらしていい? 本当の恋人じゃないって(A)」
「え?(私)」
「そう言ってたじゃない(B)」
「赤の他人なんかじゃ……(私)」
「“なんかじゃ”? ほら、言えないんじゃない。あなたたちの写真撮ってマスコミに売りつけるから。いいの?(C)」


 他人なんかじゃないと言ってやりたい。でも実際のところ赤の他人だ。どうしよう、このままだと部屋を乗っ取られてしまう。最後の夜なのに。


「……」


 私は言葉が出なかった。


「じゃあ、いいわよね! オーロラ観賞から帰ってきたら荷物をまとめて出てって!」


 ズン!と3人そろって私の前に足を差し出した。最終攻撃、全メンバー全アイテム装着。その勢いに私のHPは0になるのは必至だ。

 そのときだった。背後に漂う気配。視界の左の隅に見えたのは同じく青いレンタル防寒着。右腕を私の右肩に回し、肩をグイと寄せられた。


「なんで愛弓が出てかなきゃなんないんだよ。コイツ、本当に俺の恋人だけど?」


 聞こえてきたのは低い声。見上げれば達哉は前の3人をにらんでいた。


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