いきなりプロポーズ!?

「そんなの信じられない。ぜったい嘘よ!(A)」
「証拠見せなさいよ(B)」
「そうよ、そうよ!(C)」


 3人のシュプレヒコールが沸き起こる。そうよ(そうよ!)証拠(証拠!)そうよ(そうよ!)証拠(証拠!)とAが先頭になって叫ぶとBCが後を追って繰り返す。


「そ。じゃあ、よく見ておけよ」


 達哉は抱いていた私の右肩を離すとその手で私の左肩をつかみ、ぐいと押して私の体を達哉の正面に向かせた。その右手を私の顎にあてる。そして私の顔を上に向かせる。近づく達哉の顔はゆっくりとを傾いて……。この流れはキス? 公開キス??


「や、達哉、なな……! た……」
「黙れよ」
「やっ……た……」


 達哉の唇が私の唇に触れる。優しく、軽く。すぐに唇は離れて終わりかと思ったけど、顔の向きを変えてもう一度触れた。私は両手を達哉の胸にあてて必死に押した。大柄シロクマな奴の体はびくともしないけど。


「動くなよ」
「だって、みんな見てる」
「見せてやれよ」


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