いきなりプロポーズ!?
「綺麗。でも怖い」
「ああ。このままどこかに連れて行からそうだよな」
「ほんと」
「大丈夫。俺がいる」
「え……?」
達哉は私の手をつかんだ。そしてぎゅうっと握った。私は達哉を見た。でも達哉はなんでもないふうに空を見つめている。急にそんなことをされて私は戸惑った。でもほっとする。達哉がいれば怖くない。私も達哉の手を握りかえした。
「達哉、朝は言い過ぎてごめん」
「何が」
「サッカーのこと」
「いや」
「なんにも知らないのに私」
私はオーロラを見上げたまま呟くように言った。なんとなく自然に出た言葉だった。スマホの画像で見た輝く達哉の姿は今のオーロラにも負けはしない。あんなふうにもっともっと輝いてほしい。そんな達哉の姿をいつか生で見てみたい、小さな画面の中ではなく、どこかの競技場の芝生の上でボールを運ぶ達哉の姿を。
「いや」
呟く達哉の声が聞こえて、私は視線を空から隣にいる達哉に向けた。
「サッカー続けてみようと思う。こうして奇跡的にブレイクアップも見れたし。あきらめも肝心だけど、あきらめる前にもうちょっと頑張ってみるわ」
「達哉?」