いきなりプロポーズ!?
私はベッドの脇にそっと腰をおろして達哉の顔を見下ろした。そして彼の短い前髪をすく。達哉と本当の恋人になれたら幸せだけど、それは叶わない思いだから。だから今だけ、達哉のすぐ近くにいたい。
そのときだった。
「ん……?」
がさがさと布団の擦れる音。寝ぼけてボールを蹴ってるのかと達哉の足元を見た次の瞬間、私は手首をつかまれた。
「きゃあ!」
即座に引っ張られた手首。ジェットコースターで急降下するようにふわりと体が落ちていく。ばふん! 背中にスプリングの感触。その衝撃に目を閉じた。額に何か触れ、頬には何か空気が当たる。
「何してんだよ痴女」
すぐ近くで聞こえる声。クスクスという笑い声。ゆっくり目を開けると達哉の顔が見えた。しかもどアップ!
「☆★※@%$●○!!」
「お前もやっただろ」
達哉が私の目の前にいた。達哉に引き倒されたらしい。達哉の顔の向こうには天井、私は仰向けに寝ていた。達哉は左の肘を私の頭の脇に突き、右手で私の前髪をすく。添い寝するように隣に寝そべる達哉の息が私の顔にかかっていた。