いきなりプロポーズ!?
「現地係員の神山から申しつかっておりますバー・カシュカシュのお席のご予約と併設されておりますホテルの宿泊の件でございますが」
「あ、それなら断ったはずなんですけど」
「いえ。こちらでは承っおりませんが……ひょっとしてまた行き違いでしょうか。今週の土曜日、おふたりさまでバーのお席を19時から、ホテルのお部屋はゴージャスツインでご予約をお取りしてあります。では一度お電話をお切りしてフェアバンクスにいる神山に確認をして折り返しご連絡をさせていただきます」
いや、ちょっと待て。今週土曜日って明後日だ。神山さんはまだアラスカにいるってこと?
「神山さんはいつ帰国されるんですか?」
「いえ、来月まで帰国の予定はありませんが?」
「ええ? でもバーは社内の人間が付き添わないと入れないことがあるって」
「はい、さようでございます。でも今回に限り、特別に措置をとらせていただきました」
「そ、そうですか……」
予約も取れているのにもったいない。
「分かりました。じゃあ折角なのでお言葉に甘えて食事と宿泊、お願いします」
「かしこまりました。ではバー・カシュカシュの受付にてお名前を頂戴できますでしょうか。よろしくお願いします」