いきなりプロポーズ!?
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朝食会場のレストランに向かう。もちろん達哉も一緒だ。窓の外は夜明け前でまだ暗い。照明が煌々とついた室内には同じツアーの客もいたが、私たちを誰も変な目で見てはいない。恋人同士で旅行に来たと思ってるんだろう。無事思惑どおりだ。ほっと胸をなでおろす。昨日の昼にもいた青い瞳のボーイに案内されて窓側の席に着いた。
バイキング形式らしい。壁側の細長いテーブルに白い布が掛けられて、その上にホテルパンが並んでいた。丸パンとシリアル、パンケーキ。ヨーグルト、グレープフルーツ、スクランブルエッグ、ハム。飲み物はコーヒーとでっかい寸胴鍋でタマネギが踊るコンソメスープ。種類も少なめで質素だ。野菜類もなくて味気ない。二人でそれぞれに食べ物を取って席に着く。
達哉の白いプレートの上にはてんこ盛りのパンケーキとシリアル。
「そ、そんなに食べるの?」
「ああ。これくらい食わないと体が維持できないんだよ」
「無駄に図体大きいもんね」
「お前こそもっと食えよ。胸が育たないだろ」
「大きなお世話です、ふん」
私のプレートの上にはパンケーキ1枚とバゲットのスライス1枚、スクランブルエッグ。テーブルの隅に合ったメープルシロップのボトルを持つとパンケーキの上にたらりとかけた。黄金色の液体がきらりと光る。おいしそう、とうっとり眺めていると強引にボトルを奪われた。ごつい手ごつい指先。達哉はそれを自分のプレートの上に持っていくとどぼどぼとパンケーキの上にかけた。
「そんなに?」
「甘いの好きなんだよ。悪いか」
「悪い」
「なんでだよ」
「見てるだけでこっちの口の中が甘くなるから」
「見なきゃいいだろ」
「見えちゃうもん」