いきなりプロポーズ!?
奴は頭のポンポンを揺らしながらこっちに駆けてくる。大股でずかずかと、結構速い。
「達哉、足速いね。徒競争でいつも1位だったでしょ?」
「バカ! どこ行ってたんだよ! あんまり帰ってこないから探したんだぞ!」
「え……でも」
私は腕時計を見た。かれこれ40分は過ぎている。まだ10分ぐらいのつもりでいた。
「ごめん! 私、てっきり……え??」
ばふっ、音にしたらこんな擬音だと思う。目の前には黒っぽいビニール的なもの、それが鼻の頭や頬、唇にあたる。背中には大きな暖かい何か。ぎゅうと締め付けられて背中や胸が痛い。ひょっとして……。おそるおそる上を向いた。
目の前には達哉の顎、喉仏。抱きしめられていた。
「や、あの……」
「心配した」
「あの、それはありがたいんだけど、あの」
さらにむぎゅう!、っとされて胸が痛い。外からの圧迫もそして何故か内側からもきゅうって痛くなる。なんだろう、この苦しさは。コイツは肉体を使って仕事をしているからきっと馬鹿力で私を拘束しているに違いない。でもなんとなく離れたくなくてそのままでいる。達哉の匂いがする、ミントみたいな男っぽい匂い。でもさすがに息が苦しくなってきて、私はうなった。
「苦し……達哉」
「達哉、足速いね。徒競争でいつも1位だったでしょ?」
「バカ! どこ行ってたんだよ! あんまり帰ってこないから探したんだぞ!」
「え……でも」
私は腕時計を見た。かれこれ40分は過ぎている。まだ10分ぐらいのつもりでいた。
「ごめん! 私、てっきり……え??」
ばふっ、音にしたらこんな擬音だと思う。目の前には黒っぽいビニール的なもの、それが鼻の頭や頬、唇にあたる。背中には大きな暖かい何か。ぎゅうと締め付けられて背中や胸が痛い。ひょっとして……。おそるおそる上を向いた。
目の前には達哉の顎、喉仏。抱きしめられていた。
「や、あの……」
「心配した」
「あの、それはありがたいんだけど、あの」
さらにむぎゅう!、っとされて胸が痛い。外からの圧迫もそして何故か内側からもきゅうって痛くなる。なんだろう、この苦しさは。コイツは肉体を使って仕事をしているからきっと馬鹿力で私を拘束しているに違いない。でもなんとなく離れたくなくてそのままでいる。達哉の匂いがする、ミントみたいな男っぽい匂い。でもさすがに息が苦しくなってきて、私はうなった。
「苦し……達哉」