いきなりプロポーズ!?
そのあとも昨日と同じ流れだ。部屋にもどって防寒着に着がえる。私は昨日と同じくバスルームに防寒着を抱えて入り、そこで支度をした。ヒートテックを重ね着してニットを着てオーバーオールを履き、ジャケットを羽織る。そうしてから部屋に戻った。一人では上がらないファスナーを達哉は億劫がることなく締めてくれる。立っている私の目の前にひざまずく達哉。ファスナーの金具が上がると彼の視線も私の顔のほうに向く。そして立ち上がる。顔が近い……。
「顔、赤いぞ」
「あ、暑いだけ」
「じゃあ早く外に出ようぜ」
「うん」
カギを鳴らして歩く達哉の後ろをついていく。エレベーターでロビーに行くと、すでにツアー客が集まっていて神山さんの案内でバスに乗り込むところだった。バスも当然、達哉と隣合って座る。鈴木夫妻も先にバスに乗り込んでいて、旦那さんは大事そうにフリースでくるんだカメラを膝の上に乗せている。奥さんも楽しそうだ。
キャビンに到着して皆が空を見上げる。今夜も快晴だが、あるのは満天の星と天の川。
「今夜も見れるかな」
「見れんじゃないのか。ほら、北の空。雲みたいなのがもう出てる」
「あ、ほんとだ」
昨夜も出ていた飛行機雲のような細い雲が北の空に浮かんでいた。東の端と西の端を結ぶようにすうっと伸びている。
「あれ……光ってる?」
「そうだな」
その薄雲はかすかに光を放ちだした。ぼんやりとした緑色。皆はキャビンに向かわずにそのまま空を見上げている。その緑色の紐は徐々に色を明るくして、子どもが長なわとびの両端を持って地面と平行に揺らし、そうしてできた波線のようにゆらゆらと揺れだした。その紐状の光はみるみるうちに縦方向に伸びて、包帯ぐらいの幅になった。
カーテンのような波模様。これがオーロラ?
「うわあ……」
私は口をぱっかりと空けてオーロラを見ていた。丈は短いけれどカーテン状になって揺れている。それはいつの間にか2本に増えていた。それぞれにばらばらに動くけれどつかず離れずで方向としては並行だ。
「顔、赤いぞ」
「あ、暑いだけ」
「じゃあ早く外に出ようぜ」
「うん」
カギを鳴らして歩く達哉の後ろをついていく。エレベーターでロビーに行くと、すでにツアー客が集まっていて神山さんの案内でバスに乗り込むところだった。バスも当然、達哉と隣合って座る。鈴木夫妻も先にバスに乗り込んでいて、旦那さんは大事そうにフリースでくるんだカメラを膝の上に乗せている。奥さんも楽しそうだ。
キャビンに到着して皆が空を見上げる。今夜も快晴だが、あるのは満天の星と天の川。
「今夜も見れるかな」
「見れんじゃないのか。ほら、北の空。雲みたいなのがもう出てる」
「あ、ほんとだ」
昨夜も出ていた飛行機雲のような細い雲が北の空に浮かんでいた。東の端と西の端を結ぶようにすうっと伸びている。
「あれ……光ってる?」
「そうだな」
その薄雲はかすかに光を放ちだした。ぼんやりとした緑色。皆はキャビンに向かわずにそのまま空を見上げている。その緑色の紐は徐々に色を明るくして、子どもが長なわとびの両端を持って地面と平行に揺らし、そうしてできた波線のようにゆらゆらと揺れだした。その紐状の光はみるみるうちに縦方向に伸びて、包帯ぐらいの幅になった。
カーテンのような波模様。これがオーロラ?
「うわあ……」
私は口をぱっかりと空けてオーロラを見ていた。丈は短いけれどカーテン状になって揺れている。それはいつの間にか2本に増えていた。それぞれにばらばらに動くけれどつかず離れずで方向としては並行だ。