いきなりプロポーズ!?

 鈴木夫人はその4人の様子を心配げに見守る。達哉の右にいる茶髪は……これからは面倒だからAとしよう。

 A(茶髪)は背は低いが出るところが出過ぎてるぽっちゃり体系。達哉の腕に自分の腕をからめてメロンのような……いや、垂れて洋ナシになった胸を達哉の腕に押しつけている。達哉の肘がAの胸が食いこんで洋ナシの形は歪んだ。

 黒髪……これはBとしよう、B(ストレート)は達哉の手首を掴むと強引に指の間に自分の指をさしこんで恋人つなぎにしようとしている。

 達哉の背後にいるC(ベリーショート)は達哉の背中から腰に駆けて手のひらをあて上下にさすり、愛撫まがいの撫でを繰り返している。その手つきはいやらしい御仕事のプロではないのか。そんな3人に押されて当の達哉はにんまり笑顔でご満悦の様子である。

 4人はレストランに入ろうとどんどんこちらに向かってくる。3メートル、2メートル、1メートル……。私の目の前に達哉の顔。奴は立ち止まった。急に止まったせいで背中にいたCは達哉の背中にキスをした。Bはこけそうになってさらに指の絡めかたを強固にした。Aの豊満バストはさらに形を崩してバナナのようだ。

 達哉は私のほうに顔を向けた。大きな瞳で私を睨んでいる。いかにも邪魔するなよと言わんばかりだ。本当は行ってほしくない。他の女の子とおしゃべりなんてしてほしくない。でもそんなことを言う権利は私にはない。


「まだ食ってなかったのかよ」
「ふん! ほっといて。楽しんで(きたら許さないから)ね」
「……そりゃどうも」
「ごゆっくり(してたら泣いちゃうからね!)」
「ああ……じゃあな」


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