いきなりプロポーズ!?
「タツヤ、はい、あーん。きゃっ! 本当に食べてくれた。うれしいっ」
そのゴスロリBの甘ったるい声に達哉は動いた。ジンベエザメのように開いた口にパンケージは吸い込まれ、直後、閉じた唇にシロップが垂れて、それに気づいた巨乳Aが人さし指で拭った。
「タツヤってばぁ。子どもみたぁい」
達哉は口をもぐもぐさせながら私をちらりと見て、片方の眉を上げた。いわゆるドヤ顔だ。私はそれを見てかあっとなった。その挑発的な態度に、ふん、と鼻を鳴らして正面の神山さんに話しかける。
「か、神山さん! カシュカシュに行くの、いつにしますか? 神山さんが帰国したときですよね!」
「そういうことになりますね」
「行くのは夜ですか? あんまり遅いと私、帰れなくなりそうなんですけど」
「基本的に夜しか開店しないので。タクシーでも構いませんし、近くに提携している宿泊施設もあります。真田さんは」
「愛弓です!」
「あ、あゆみさんはどちらがいいですか?」
私も応戦して口角とともに片眉を上げた。
「ホテルかなあ?」
「じゃあご用意しておきますね。空き状況にも寄りますが、デラックスツインかスイートクラスで。夜をゆっくり楽しんでください」
「スイート、素敵です。誰かと泊まってもいいんですか?」
「もちろんですとも」
すると達哉がぼそりと言った。
「……やらしいだろ」