White heart
いわゆる、壁ドン。
ドキッ…
いや、ドキッてなによ。
あ、あれだ、壁ドンは女子の憧れのシチュエーションだからドキドキしてるんだ。
別に、雪だからドキドキしてるわけじゃ…って!
「近い近い近い近い!!」
いつの間にか唇が触れ合いそうな程近くまで顔を寄せていた雪に、叫んでしまった。
いや、だって、なんか無理!
ただでさえ顔が整ってるのに、まだ私の恋心は消えてない。
そんな状況で近づかれたら流石に耐えきるのは無理だと思う、私じゃなくても。
「……宝条瑠璃に、何を言われた?」
「…!!」
その名前に、過敏に反応してしまって。
私の反応を見てやっぱりか、と言いたげに眉を寄せた雪は
「アイツに、脅されたか?」
私の核心を突いてくる。