White heart
心臓が嫌な音を立て始めて、冷や汗が浮かぶ。
──まずい。
ここで"あのこと"がバレるわけには、いかない。
「…別に、何も言われてないし脅されてないよ?そもそも、脅す材料なんてないでしょ」
偽の笑顔を作り、その場だけでも、と取り繕う。
そして。
「それに、瑠璃と私は仲良しだよ?」
平気で、嘘を吐いた。
仲良しなら、昨日のようなことをいうはずがない。
雪もそれをわかってるんだろうけど。
「…そうか。ならいい」
敢えて、深く聞いてくることはなかった。
「もう一つ」
「え"」
やっと解放されると思ったのに…っ!
思わず変な声出ちゃったじゃん!