White heart

「そうだったっけぇ?私ぃ、馬鹿だからわかんなぁい」




ダンッ!!




「……如姫を傷付けるのが目的なら、許さない。次はないから覚えておけ」




壁に拳を打ち付けて、低い声で忠告する。




裏切られたフリをしていろ、と言った自分がこれじゃ示しがつかない気もするが。




これくらいなら許されるだろう。






「な、なんでよ!今の姫は私でしょ!?どうしてあの子を庇うの!?」





意味がわからない、信じられないという声で叫ぶ目の前の女にイライラが増した。





いっそのことバラしてやろうか。





桜華がコイツを良く思っていないことも



如姫を姫に戻したいと考えていることも



俺達は決して宝条瑠璃を認めないことも






今ここで、話してしまえば。





「…はっ」






結局、出てきたのは乾いた笑いだけ。


< 41 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop