White heart
「そうだったっけぇ?私ぃ、馬鹿だからわかんなぁい」
ダンッ!!
「……如姫を傷付けるのが目的なら、許さない。次はないから覚えておけ」
壁に拳を打ち付けて、低い声で忠告する。
裏切られたフリをしていろ、と言った自分がこれじゃ示しがつかない気もするが。
これくらいなら許されるだろう。
「な、なんでよ!今の姫は私でしょ!?どうしてあの子を庇うの!?」
意味がわからない、信じられないという声で叫ぶ目の前の女にイライラが増した。
いっそのことバラしてやろうか。
桜華がコイツを良く思っていないことも
如姫を姫に戻したいと考えていることも
俺達は決して宝条瑠璃を認めないことも
今ここで、話してしまえば。
「…はっ」
結局、出てきたのは乾いた笑いだけ。