イイコでしょ?
「なんだあいつ、ヘラヘラしやがって。俳優だかなんだか知らねぇが、ただのチャラい男だろ。」






ネクタイを緩めながらソファーにドカッと腰を下ろした翔さんを見て、何だか嬉しい気持ちになるのは…





「嫉妬してるんですか?」





どうしても緩んでしまう頬はそのままに、後ろからボソリと言ってみた。





すると直ぐにギロリと睨まれて、こっちこい、と促された。





預かったスーツのジャケットを抱きしめながら、翔さんの座る前まで行くと、


腕をグイと引かれてガクンとそのまま翔さんの膝の上に横向きに尻もちをついた。






「お前、俺のもんだって自覚あんの?」





背中からグルリと回った翔さんの掌がお腹を這う。





トクン…と鼓動が鳴って俯くと翔さんの長い指で顎をクイッと持ち上げられた。





「自覚させてやろうか。」





耳に流れ込む、少し掠れた聞き慣れた低い声。






「…ゃ…翔さん…私汗かいてる…から…ン」






温かく湿った感触が、喉を撫でると、身体に力が入り、翔さんのシャツをぎゅっと握りしめた。






「嫌か?」






そんなの…




大好きな人に触られて、嫌なはず無い。




私が拒否しないの分かってて聞いてるんだ。






「なんも言わねぇなら…」


















「なんで…最後までしなかったんですか?私ばっかり…恥ずかしかった、です」






あったかい翔さんの腕の中で、今日も海みたいな真っ青なシーツのベッドに横になる。





恥ずかしさで顔を見る事が出来ないのは、先程の行為のせい。





「でもすげぇトロトロだったけど?」






「やぁぁぁぁぁーっ‼︎へっ、変な事言わないで下さいっ!!」






翔さんの胸を拳でドンドン叩くけど、聞こえてくるのは意地悪な笑い声だけ。





思い出すだけで顔が熱くなって変になりそうなのに…






「教育してやってんの。」






「教育?」






「そ。俺仕様の身体になるように、お前の肌に叩き込んでやってんの。」






「…っ」






「あと、お前のおねだり待ち。」





そう言った後、また意地悪な笑い声が耳を掠めた。












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