イイコでしょ?
第三章

Kazuside










仕事を終えて家に帰ると、リリと一緒に晩飯を食べる。





プラスチックの皿にドッグフードを入れてやると、直ぐに空になってしまう。





空になった皿を咥えて、まだ食事中の俺の胡座の上に乗っかっては、おかわりを催促する。





わかったよ、と言いながら次は缶詰のドッグフードを入れてやると、さっきのはどこ行った?と思うくらい、勢いよく食べ始める。





「きったねー食い方だな」





そう言って頭を撫でながら笑ってやるけど、そんな事こいつにはどうでも良くて。





構わず食べ続けるリリに、もう一度頭を撫でてから、自分も箸を握り食事を再開した。


















「うぅ…さみぃ。」





マンションを出ると、初春の夜風が身体を突き刺し背中をゾクリとさせた。





「ほんとに行くの?リリ。」





リードの先に居るリリに問いかけてみるけど、やっぱり聞いてはおらず、頭はもう今から向かう散歩の事だけ。





寒さに震える俺を無視して、勢いよく走り出したリリ。





小せえくせに力は強くて、グイとリードを引っ張られると、身体をグンと持って行かれた。

















散歩コースである公園に着くと、いつものようにトイレ横にある自販機で熱いコーヒーを買った。





広いこの公園には真ん中に大きな池があり、それに向かって設置されたベンチが、いつも俺とリリが休憩する場となっていた。





ベンチに背中を丸めて腰を下ろすと、コーヒーを啜りながら夜空を見上げた。











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