イイコでしょ?
自分の腕の中に居る小さな命。





すごく軽くて、



すごく重い。





自然と口元は緩んで…





なんだか泣きそうになった。





手なんか驚くほど小っちゃくて、海崎さんが差し出した人差し指をしっかり握って。





ピクピクと瞼が動く。





すでにしっかりと生えてる髪は、パパに似たのかな?





眉毛もしっかり生え揃ってる。





「連れて帰りたい。」





「こらこら。」





何かわかんないけど、すごく幸せで、赤ちゃんってすごい力を持ってるんだなと、





入口で突っ立ってる新井さんにも味わって欲しくて。





「次新井さんどうぞ?」





俺はいいよ、と見るからに嫌そうな顔をして逃げる新井さんに、みんなで言いくるめてやると、渋々私から赤ちゃんを受け取った。





「どう?可愛いですよね!」





「あぁ?…うん。」





迷惑そうな顔してたけど、私は見たよ。




新井さんが一瞬、優しい笑顔を赤ちゃんに向けてたの。





やっぱり新井さんには赤ちゃん似合わないけど





その後泣き出しちゃった赤ちゃんにすごく慌てふためいて、直ぐに優子さんに交代していた新井さんにみんなで笑って。





色々話聞きたかったけど、出産という大仕事の後、お疲れの優子さんを思い帰る事に。





「じゃあね~パパ♪また明日会社でね~♪」





「優子さんゆっくり休んで下さいね!また抱っこしに家遊びに行かせて貰います~!」





ありがとう、と言った二人を、ドアが閉まるまで見送った。












< 185 / 242 >

この作品をシェア

pagetop