イイコでしょ?











帰りの車内はもちろん、赤ちゃんの話で盛り上がる。





盛り上がってるのは私と、新車だという事を忘れた運転中の海崎さんの二人だけだけど…





「俺子ども欲しくなっちゃったー。めっちゃ幸せそうだったよね?」




「うんうん。松本さんなんか見たことない笑顔だったし!それより海崎さんは先ず相手探さなきゃ」




「それだ。もー本当誰か俺の子産んでくんねぇーかなぁー。」





「ふふふ、相当影響受けてるね!」





誰か紹介してよ~!と嘆いてる海崎さんだけど、社内で密かにモテてるんだよ?




言ってあげたら喜ぶかな?




そう思うだけで伝える事はしない私はちょっと意地悪だな。




心の中で笑って、海崎さんに早くいい人が見つかるように祈った。

















車でガーガー寝てたから、そのまま帰るんだと思ったのは単なる早とちりで。





悠々とビール片手にソファーにドカッと座った新井さんはテレビを見て爆笑する。





「明日お仕事ですよね?早く帰った方が…」





「美希もう一本ちょうだい!あと晩飯なに~?」





「…はい。今日は餃子です。」





ラッキー☆と呟いて直ぐに、テレビに映る芸人の軽すぎるギャグを見て爆笑した新井さん。





昼間下ごしらえしていた餃子を冷蔵庫から取り出し、焼いていく。





この人の為に作ったんじゃないんだけどな…と、首を傾げながら。











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