イイコでしょ?
・
・
・
「新井さんって彼女とか居ないんですか?」
テーブルで夕食の餃子を食べながら、テレビ前でソファーを背もたれにして餃子を摘まんでる新井さんに尋ねるけど、
フン、と鼻で笑われた。
彼女居るか聞いただけじゃん。
なんでそこで笑うかな。
聞いた私がバカだった、と肩を落として豆腐のお味噌汁を一口啜った。
・
・
・
「じゃ、俺先に風呂行ってくるわ。」
バスタオル片手に脱衣所へ行こうとする新井さんを、廊下で通せんぼする。
無理に決まってます。と目を細めて睨むと、不満そうにチッと舌打ちを返された。
「そろそろ帰って下さいよ?電車無くなりますよ!」
「わーかってるよ。うるせぇなぁ。もうすぐ亮が迎えに来るからもう帰るよ。」
「亮?」
誰?とはさすがに聞けないけどちょっと気になった。
考えてる間に新井さんにバスタオルをヒョイと投げ渡され、帰る支度をし始めた。
・
・
・
「んじゃ、また明日~。」
「はぁ…」
玄関まで見送ると、新井さんが突然思い出したように声を上げた。
「そう言えばさぁ、翔ちゃんと井上が別れた原因知ってる?」
「えっ?」
「フられたんだよ。翔ちゃんが。」
「フられた?」
「うん。その頃翔ちゃん親からのプレッシャーやら大きな仕事抱えてたりで、すげぇ大変だったの。」
私は何も言わず、ただ黙って聞いていた。
「井上も単なる社員だったから、自分が居る事で翔ちゃんの負担になるからって、自分から身を引いたんだよ。」
「……。」
「んで自分も翔ちゃんと並んで仕事が出来るようになれば、もう一度って頑張って秘書になったはいいものの。」
「…私が…」
「ピンポーン♪あったまイイ!翔ちゃんは何も知らないけどね。んじゃ帰る。バイバーイ。」
新井さんはヒラヒラと手を振りながら部屋を出て行ったけど、私は暫くそこから動けなかった。
・
・
・
・
・
「新井さんって彼女とか居ないんですか?」
テーブルで夕食の餃子を食べながら、テレビ前でソファーを背もたれにして餃子を摘まんでる新井さんに尋ねるけど、
フン、と鼻で笑われた。
彼女居るか聞いただけじゃん。
なんでそこで笑うかな。
聞いた私がバカだった、と肩を落として豆腐のお味噌汁を一口啜った。
・
・
・
「じゃ、俺先に風呂行ってくるわ。」
バスタオル片手に脱衣所へ行こうとする新井さんを、廊下で通せんぼする。
無理に決まってます。と目を細めて睨むと、不満そうにチッと舌打ちを返された。
「そろそろ帰って下さいよ?電車無くなりますよ!」
「わーかってるよ。うるせぇなぁ。もうすぐ亮が迎えに来るからもう帰るよ。」
「亮?」
誰?とはさすがに聞けないけどちょっと気になった。
考えてる間に新井さんにバスタオルをヒョイと投げ渡され、帰る支度をし始めた。
・
・
・
「んじゃ、また明日~。」
「はぁ…」
玄関まで見送ると、新井さんが突然思い出したように声を上げた。
「そう言えばさぁ、翔ちゃんと井上が別れた原因知ってる?」
「えっ?」
「フられたんだよ。翔ちゃんが。」
「フられた?」
「うん。その頃翔ちゃん親からのプレッシャーやら大きな仕事抱えてたりで、すげぇ大変だったの。」
私は何も言わず、ただ黙って聞いていた。
「井上も単なる社員だったから、自分が居る事で翔ちゃんの負担になるからって、自分から身を引いたんだよ。」
「……。」
「んで自分も翔ちゃんと並んで仕事が出来るようになれば、もう一度って頑張って秘書になったはいいものの。」
「…私が…」
「ピンポーン♪あったまイイ!翔ちゃんは何も知らないけどね。んじゃ帰る。バイバーイ。」
新井さんはヒラヒラと手を振りながら部屋を出て行ったけど、私は暫くそこから動けなかった。
・
・
・