イイコでしょ?











「不倫じゃないですからね。」





ベッドに潜り込んでからする就寝前の電話の声は少し不貞腐れてて、




んな事当たり前だろ、と笑う翔さんは今はカフェでランチを取ってる最中だと言う。





NYのカフェで優雅に英字新聞を広げながらブラックを啜る翔さんを頭の中で映像化すると、どうしようもなくカッコ良くて…





知らずにほころぶ顔。





何食べてるんですか?って言う私の無駄な質問には、俺の事はどうでもいいだろ、と華麗にかわされ、




私の事ばかり尋ねてくる。





私だって翔さんが今何してるか気になるのにな。
















「あんな産まれたての赤ちゃん、初めて抱っこしました!めちゃくちゃちっちゃくて可愛いんですよ!」





「ふぅーん、そ。」





「松本さんもすっかりパパになっちゃって、もうデレデレ!」





「あっそ。」





「女の子だったら服とか選ぶの楽しそうだなぁー。」





「そうか?」





まるで興味のない返答。




子ども…嫌いなのかな。




まぁ…好きそうには見えないけど。




だからってそんな反応しなくたっていいのに。





「あの!興味ないなら無いで、ハッキリスッパリ言って貰えますか?翔さんが話せって言ったのに、そんな反応されるとなんか……どうしたらいいかわかんないんですけど!」





と、少し強めの口調で突っかかると、思ってもみない返事が返って来た。





「そんなに子どもが欲しいのか?」





「えっ?いや、それは…」





別に子どもが欲しいからこんな会話フった訳じゃなかったんだけど…




よくよく考えてみれば、そう捉えられても仕方ない言い方だったのかも、と今更後悔する。




子どもなんてまだ意識してなかったけど…いずれは?




翔さんとこんな会話はした事がなかったので、どう答えるのが正解だったのか分からずに、口ごもってしまった。
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