イイコでしょ?








Inoue yu-ka side



目を瞑ってくしゃっと笑う、





そんな表情がすごく好きだった。





「由香…」





私の名前を呼ぶ、その低く少し掠れた声が、すごく好きだった。





もう一度、




もう一度だけ…




私の名前を呼んで?

















別れましょう。





そう言ったのは私。





クリスマスを数日後に控えた、雪のチラつく寒い夜だった。





その日も翔くんは夜遅くまで仕事に追われ、1日24時間じゃとても追いつかないくらいに忙しくて。





そんな中でも、私との時間を見つけては一緒に居てくれた。






もう、見てられなかったの。






親や周りからのプレッシャー。





そして私。





少しでも、軽くなればいいと思った。





少しでも翔くんの負担を軽くしてあげれば、またあの大好きな笑顔が見れるんじゃないかなって。





「好きな人が出来たの。」





彼に背中を向けて、自分の気持ちにも背中を向けて言った別れの言葉。





間違ってなかったって、今でも信じていたい。












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