緑と石の物語
*
「ねぇ、レヴ。」
「なんだ?」
「どこかに遊びに行かない?」
「どこに行きたいんだ?」
「あたしじゃないよ。
リーズをどこかに連れていってやらないとかわいそうじゃないか。
せっかく遠くから来てるのに、リーズはここへ来てからまだ果樹園しか連れていってないんだろ?」
「そうだな…
私もそのことは気にはなっていたのだが、リーズさんは料理をするのが楽しいと言われるもんでな。」
「馬鹿だね、そういう時はあんたが気を利かせてどこかへ誘えば良いんだよ。」
「迷惑にはならないのか?」
「なるわけないだろ、リーズはあんたのことを…」
「え…?」
「な、なんでもないさ。」
「そうか。では、どこか考えてみることにしよう。」
その晩の夕食の席で、レヴは皆に提案した。
「最近、どこにもでかけてないことだし、明日は久しぶりにピクニックでもいってみないか?」
「それは良いですね。
私も最近は部屋で本ばかり読んでいたもので、少し外に行きたい気分だったんですよ。」
「本当にヴェールは本ばっかり読み過ぎだよ。
たまには外にいかないとね!
ね!リーズ、明日はまたおいしいものをたくさん作っておくれよね!」
「はい!」
リーズが微笑んでうなずいているのを見てレヴは安心した。
「では、明日…」
*
次の日は朝から爽快な青空だった。
「良いお天気になって良かったですね。」
「あたしは日頃の行いが良いから、でかける時はいつもお天気なんだよ。」
馬車で山のふもとまで小一時間走って、そこからは徒歩で登ることになった。
「皆さん、本当に足が丈夫なんですね。」
「そりゃあそうさ。
あたし達、ここに来てからは馬車ばっかり乗ってるけどさ、旅をしてた時はそんなもの乗ったことがなかったからね。
それに、なんだかわからないけどよく山道を歩いたよね。」
「そうだな。
考えてみれば山ばっかり歩いていたような気がするな。」
そういって笑う四人の姿を見ていると、リーズは自分だけがよそ者みたいな疎外感を感じた。
皆の顔にうっすらと汗がにじんできた頃、ようやく丘の上の着いた。
涼やかな風が五人の頬に心地良くそよぐ。
「あぁ~、やっぱり外は良いね!
お昼にはまだちょっと早いし、ここらでちょっと散歩でもしようか。」
「そうだな、あっちの方に綺麗な所があるのだが…」
「あ!あそこに変わった鳥がいるよ。
ジネット、ヴェール、見にいこうよ!」
サリーはせきたてるようにジネットとヴェールを誘い、走り去った。
(サリーさんったらどうしたのかしら?
……まさか、レヴさんとリーズさんに気を利かせて…?)
ジネットは残された二人をそっと振り返る。
「…行ってしまいましたね…
では、私達は向こうへ行ってみましょう。」
「は、はい!」
そこには色とりどりの花が咲き乱れていた。
「まぁ、綺麗!」
「素晴らしいものですよね。
誰の手を借りたわけではないのに、こんなに見事な花畑が出来ている…」
「自然の力って、素敵ですね…」
「人間等いなくても、こうして自力で美しい花を咲かせるのですからね…
たいしたものだ…」
二人は目の前に広がる花畑を黙ってみつめていた。
「ねぇ、レヴ。」
「なんだ?」
「どこかに遊びに行かない?」
「どこに行きたいんだ?」
「あたしじゃないよ。
リーズをどこかに連れていってやらないとかわいそうじゃないか。
せっかく遠くから来てるのに、リーズはここへ来てからまだ果樹園しか連れていってないんだろ?」
「そうだな…
私もそのことは気にはなっていたのだが、リーズさんは料理をするのが楽しいと言われるもんでな。」
「馬鹿だね、そういう時はあんたが気を利かせてどこかへ誘えば良いんだよ。」
「迷惑にはならないのか?」
「なるわけないだろ、リーズはあんたのことを…」
「え…?」
「な、なんでもないさ。」
「そうか。では、どこか考えてみることにしよう。」
その晩の夕食の席で、レヴは皆に提案した。
「最近、どこにもでかけてないことだし、明日は久しぶりにピクニックでもいってみないか?」
「それは良いですね。
私も最近は部屋で本ばかり読んでいたもので、少し外に行きたい気分だったんですよ。」
「本当にヴェールは本ばっかり読み過ぎだよ。
たまには外にいかないとね!
ね!リーズ、明日はまたおいしいものをたくさん作っておくれよね!」
「はい!」
リーズが微笑んでうなずいているのを見てレヴは安心した。
「では、明日…」
*
次の日は朝から爽快な青空だった。
「良いお天気になって良かったですね。」
「あたしは日頃の行いが良いから、でかける時はいつもお天気なんだよ。」
馬車で山のふもとまで小一時間走って、そこからは徒歩で登ることになった。
「皆さん、本当に足が丈夫なんですね。」
「そりゃあそうさ。
あたし達、ここに来てからは馬車ばっかり乗ってるけどさ、旅をしてた時はそんなもの乗ったことがなかったからね。
それに、なんだかわからないけどよく山道を歩いたよね。」
「そうだな。
考えてみれば山ばっかり歩いていたような気がするな。」
そういって笑う四人の姿を見ていると、リーズは自分だけがよそ者みたいな疎外感を感じた。
皆の顔にうっすらと汗がにじんできた頃、ようやく丘の上の着いた。
涼やかな風が五人の頬に心地良くそよぐ。
「あぁ~、やっぱり外は良いね!
お昼にはまだちょっと早いし、ここらでちょっと散歩でもしようか。」
「そうだな、あっちの方に綺麗な所があるのだが…」
「あ!あそこに変わった鳥がいるよ。
ジネット、ヴェール、見にいこうよ!」
サリーはせきたてるようにジネットとヴェールを誘い、走り去った。
(サリーさんったらどうしたのかしら?
……まさか、レヴさんとリーズさんに気を利かせて…?)
ジネットは残された二人をそっと振り返る。
「…行ってしまいましたね…
では、私達は向こうへ行ってみましょう。」
「は、はい!」
そこには色とりどりの花が咲き乱れていた。
「まぁ、綺麗!」
「素晴らしいものですよね。
誰の手を借りたわけではないのに、こんなに見事な花畑が出来ている…」
「自然の力って、素敵ですね…」
「人間等いなくても、こうして自力で美しい花を咲かせるのですからね…
たいしたものだ…」
二人は目の前に広がる花畑を黙ってみつめていた。