緑と石の物語
「あの…レヴ様…
前から気になっていたのですが…レヴ様達は何の目的で旅をされてるんですか?」
「それは……」
「あ…ごめんなさい。
私、変なことを聞いてしまって…」
「……いえ。
私もどんな風にご説明すれば良いのかわからないのです。
漠然とした言い方をするならば…おそらく、それは私の使命…いや、それではあまりに大袈裟でしょうか…
とにかく、私にはまだやらなくてはならないことがあるのです。」
「そうなんですか…
レヴ様はそれをやってしまわなければ、落ち着くことが出来ないのですね。」
「ええ…
両親にもとても申し訳ないと思っています。
家のことも顧みず、こんなことをしているような年ではないのですが…」
「それでも、やらなくてはならないのですね…」
「……そうなのです。」
重苦しい沈黙が、二人を包み込む。
「……あ、あの…それで…その旅は、いつ頃終わりそうなのですか?」
リーズは思い切って、一番気になることをレヴに問いかけた。
「…それは…私にもわかりません…」
「…では、レヴ様が旅に出られたら…
今度はいつお会い出来るかわからないのですね…」
「……そうかもしれませんね…」
その言葉を聞いた途端、リーズの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
「泣かないで下さい、リーズさん…」
「私だって…泣きたくはないのですが…
レヴ様にもうお会い出来なくなるのかと思うと…勝手に涙が…」
「リーズさん…」
「……レヴ様…
私、待っていても良いですか?
レヴ様がお家に戻られる日を待っていても良いですか?」
「そんな…
私はいつ戻れるかわからないんです。
私のことは忘れて、リーズさんは早く素敵な男性と幸せになって下さい。」
「い、いやです!
私は…私は、レヴ様じゃないと…
お願いです。
ご迷惑はおかけしませんから…ただ、レヴ様がお帰りになるのを待つことを許していただけませんか…?」
「リーズさん…」
二人の視線が絡み合う。
レヴは不意にリーズの身体を抱き締め、そっと口付けた。
(あ……レヴ様……)
リーズのファーストキスは、自分の涙の味がした…
「あ……」
あまりに突然のことに全身の力が抜けよろめくリーズをレヴが抱きとめた。
「大丈夫ですか?」
「は…はい…」
恥ずかしくて、リーズはまともにレヴの顔を見ることが出来ずに俯いた。
(…どうしよう…
私ったらあんな大胆なことを言ってしまって…
あぁ、恥ずかしい…
それに…今のキスは、待ってても良いってことなのかしら?
それとも、たいした意味はないことなのかしら…?)
前から気になっていたのですが…レヴ様達は何の目的で旅をされてるんですか?」
「それは……」
「あ…ごめんなさい。
私、変なことを聞いてしまって…」
「……いえ。
私もどんな風にご説明すれば良いのかわからないのです。
漠然とした言い方をするならば…おそらく、それは私の使命…いや、それではあまりに大袈裟でしょうか…
とにかく、私にはまだやらなくてはならないことがあるのです。」
「そうなんですか…
レヴ様はそれをやってしまわなければ、落ち着くことが出来ないのですね。」
「ええ…
両親にもとても申し訳ないと思っています。
家のことも顧みず、こんなことをしているような年ではないのですが…」
「それでも、やらなくてはならないのですね…」
「……そうなのです。」
重苦しい沈黙が、二人を包み込む。
「……あ、あの…それで…その旅は、いつ頃終わりそうなのですか?」
リーズは思い切って、一番気になることをレヴに問いかけた。
「…それは…私にもわかりません…」
「…では、レヴ様が旅に出られたら…
今度はいつお会い出来るかわからないのですね…」
「……そうかもしれませんね…」
その言葉を聞いた途端、リーズの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
「泣かないで下さい、リーズさん…」
「私だって…泣きたくはないのですが…
レヴ様にもうお会い出来なくなるのかと思うと…勝手に涙が…」
「リーズさん…」
「……レヴ様…
私、待っていても良いですか?
レヴ様がお家に戻られる日を待っていても良いですか?」
「そんな…
私はいつ戻れるかわからないんです。
私のことは忘れて、リーズさんは早く素敵な男性と幸せになって下さい。」
「い、いやです!
私は…私は、レヴ様じゃないと…
お願いです。
ご迷惑はおかけしませんから…ただ、レヴ様がお帰りになるのを待つことを許していただけませんか…?」
「リーズさん…」
二人の視線が絡み合う。
レヴは不意にリーズの身体を抱き締め、そっと口付けた。
(あ……レヴ様……)
リーズのファーストキスは、自分の涙の味がした…
「あ……」
あまりに突然のことに全身の力が抜けよろめくリーズをレヴが抱きとめた。
「大丈夫ですか?」
「は…はい…」
恥ずかしくて、リーズはまともにレヴの顔を見ることが出来ずに俯いた。
(…どうしよう…
私ったらあんな大胆なことを言ってしまって…
あぁ、恥ずかしい…
それに…今のキスは、待ってても良いってことなのかしら?
それとも、たいした意味はないことなのかしら…?)