緑と石の物語
*
「ヴェール…まさかとは思うのだが…」
レヴはリーズの指輪のことを話した。
「どういう感じでした?
なにか不気味な印象でもあったのですか?」
「いや…そういうものは何もない…
ただ、私もあのアマゾナイトにおかしなものは感じなかったし、彼女はとてもその指輪が気に入っているようだった。」
「どういった経緯の指輪なんですか?」
「それもまだわからない…」
「そうですか…では、明日にでも私がそれとなく聞いてみます。」
*
「リーズさん、素敵な指輪ですね。
ちょっと見せていただけませんか?」
「あら、ヴェールさんは石がお好きなんですか?
とても綺麗なムーンストーンでしょう?」
ヴェールが石に触れようとした時、リーズは不意に手をひっこめた。
「だめですわ。
この手の石は、他人には触れさせてはいけないそうです。」
「それは失礼しました。
あまりに綺麗だったものでつい…
…ところで、その指輪は最近買われたのですか?」
「ええ、実は…」
(あ…!いけないわ!
露店で買った安物の指輪をつけてるなんて知られたら、またレヴ様が気を遣われるかもしれない…)
「あの…これはおばあさまの形見で、ずっと付けてなかったんですけど、久しぶりに見たらなんだか急に懐かしくなってしまって…」
「おばあさまの…
そうでしたか。
だから、お守りなんですね。」
「そ、そうなんです!」
ヴェールはほっと胸をなでおろした。
そういう素性の明確なものなら、魔石であるわけがない。
ヴェールはそのことを早速レヴに伝えた。
「…そうだったのか…
それなら、心配はいらないな。
ありがとう、安心したよ。」
「私達、少しばかり神経質になりすぎていたのかもしれませんね。」
「そうだな…
石を見るとついおかしな妄想にとらわれてしまうようだ。」
「無理もありませんよ。あんなことがあったのですから…」
「早く忘れたいものだな…」
ヴェールはゆっくりと頷いた。
「ヴェール…まさかとは思うのだが…」
レヴはリーズの指輪のことを話した。
「どういう感じでした?
なにか不気味な印象でもあったのですか?」
「いや…そういうものは何もない…
ただ、私もあのアマゾナイトにおかしなものは感じなかったし、彼女はとてもその指輪が気に入っているようだった。」
「どういった経緯の指輪なんですか?」
「それもまだわからない…」
「そうですか…では、明日にでも私がそれとなく聞いてみます。」
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「リーズさん、素敵な指輪ですね。
ちょっと見せていただけませんか?」
「あら、ヴェールさんは石がお好きなんですか?
とても綺麗なムーンストーンでしょう?」
ヴェールが石に触れようとした時、リーズは不意に手をひっこめた。
「だめですわ。
この手の石は、他人には触れさせてはいけないそうです。」
「それは失礼しました。
あまりに綺麗だったものでつい…
…ところで、その指輪は最近買われたのですか?」
「ええ、実は…」
(あ…!いけないわ!
露店で買った安物の指輪をつけてるなんて知られたら、またレヴ様が気を遣われるかもしれない…)
「あの…これはおばあさまの形見で、ずっと付けてなかったんですけど、久しぶりに見たらなんだか急に懐かしくなってしまって…」
「おばあさまの…
そうでしたか。
だから、お守りなんですね。」
「そ、そうなんです!」
ヴェールはほっと胸をなでおろした。
そういう素性の明確なものなら、魔石であるわけがない。
ヴェールはそのことを早速レヴに伝えた。
「…そうだったのか…
それなら、心配はいらないな。
ありがとう、安心したよ。」
「私達、少しばかり神経質になりすぎていたのかもしれませんね。」
「そうだな…
石を見るとついおかしな妄想にとらわれてしまうようだ。」
「無理もありませんよ。あんなことがあったのですから…」
「早く忘れたいものだな…」
ヴェールはゆっくりと頷いた。