緑と石の物語
薔薇色の時間(とき)
「しっかし、今日は、驚きの連続だったよね。
今でもまだ信じられない位だよ。
あれからあの二人はどうしたかな?
ヴェールは、無事に告白出来たのかな?」

「ついさっき、あんなにたくさんのことがわかったばかりだぞ。
そんなに急ぐこともあるまい。」

「善は急げって言うじゃないか。
ヴェールは今までずっとジネットのことで辛い想いをしてきたんだしさ。
こういうことは早く言っちゃった方が良いんだよ!」

「それはそうだが…
ゆっくりと時間をかけて愛を育んでいけば良いではないか…」

レヴは心の中で、二人の幸せを祈った。



「……ゆっくりねぇ…
あ!
そういえば、もしも、ジネットとヴェールが結婚したら…ジネットは森の長の妻ってことになるんだね!」

「そういうことだな…」

「すぐにでも森に帰って幸せになりな!って言いたい所だけど…そんなこと言ってもヴェールは聞かないだろうね。」

「だろうな…
魔石のことが解決するまでは…な。
そうだ、サリー…ジネットさんの正体がわかった以上、これからはあまり隠しだてをすることはないが、魔石のことだけは言ってはならないぞ。
そうだな。旅の目的は、このまま、伝承と鉱物の研究をしているってことで通しておこう。」

「わかったよ。
それでさ、あたし達が兄弟って話はどうする?」

「う~ん、どうだろうな…
それはヴェールが帰ってきてからにしよう。」

「まさか、ヴェール、もうしゃべってたりしないだろうね?」

「大丈夫だろう…彼は誰かとは違って思慮深い性格だからな。」

「はい、はい。
どうせあたしは思慮のない女ですよ。」
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