緑と石の物語
「ヴェール、思い出してみなよ!
レヴが勝手に旅に出て長い間放っといたから、婚約者のローラは別の人と結婚しちゃったんだよ。」
「あれはだな……」
「だから、コミュニケーションはとっても大事だってことさ。」
「なるほど…わかりました。
言われてみればそうかもしれないですね。
では、勉強が終わったら知らせて下さいね。」
ヴェールは素直に部屋を出ていった。
「おい、サリー、まさか、これは…」
「当ったりぃ!
こうやってあたしが二人の距離を縮めてやんなきゃね…」
「全く、君って奴は…
それにさっきの例はなんだ。
別に私とローラは…」
「はいはい、わかってる、わかってますよ。
でも、まぁ良いじゃないか。
あれでヴェールも納得したんだからさ!」
「……… ……それはそうと、せっかくの機会だ。
本当に勉強したらどうだ?
いつだったか、君が書いていた文章はスペルが間違いだらけだったぞ。」
「やだよ。あたしは昔から勉強を始めると頭が痛くなるんだから。」
「毎晩、勉強していると言っておきながら、何の進歩もないんじゃ怪しまれるぞ。
少しずつで良いから勉強していこう。さぁ、ペンを持って…」
「えええ~~~っ!」
*
「遅い時間にすみません、ジネットさん、ヴェールです。」
「まぁ、ヴェールさん、どうされたんですか?」
「サリーさんがレヴさんに勉強を教わるとかで、邪魔だと追い出されてしまいました。」
「まぁ、そうだったんですか。…どうぞ。」
「あ、ジネットさん、もう寝間着だったんですね。
やはり私は…」
「大丈夫です。」
ジネットは慌ててガウンを羽織った。
「お茶でも煎れますね。」
二人っきりだと照れくさくなかなか言葉が出て来ない…
気を遣ったジネットがやっと口を開いた。
「あ…あの…サリーさん、一体どうされたんでしょうね?
お二人の姿を見て、ご自分もお勉強される気になられたんでしょうか?」
「そうかもしれませんね。
サリーさんはなにか思いつかれたらすぐに行動に移される方ですから…」
「最近は伝承の研究はいかがですか?」
「それが、なかなか進まない状態なのです。
探している情報がみつからないもので…」
「そうなんですか…大変なんですね…」
「ええ……」
その言葉を最後に、また部屋の中には沈黙が流れた…
「……遅いですね。まだ勉強されてるんでしょうか。
ちょっと見てきます。」
気まずさにいたたまれなくなったヴェールは部屋を出て行った。
レヴが勝手に旅に出て長い間放っといたから、婚約者のローラは別の人と結婚しちゃったんだよ。」
「あれはだな……」
「だから、コミュニケーションはとっても大事だってことさ。」
「なるほど…わかりました。
言われてみればそうかもしれないですね。
では、勉強が終わったら知らせて下さいね。」
ヴェールは素直に部屋を出ていった。
「おい、サリー、まさか、これは…」
「当ったりぃ!
こうやってあたしが二人の距離を縮めてやんなきゃね…」
「全く、君って奴は…
それにさっきの例はなんだ。
別に私とローラは…」
「はいはい、わかってる、わかってますよ。
でも、まぁ良いじゃないか。
あれでヴェールも納得したんだからさ!」
「……… ……それはそうと、せっかくの機会だ。
本当に勉強したらどうだ?
いつだったか、君が書いていた文章はスペルが間違いだらけだったぞ。」
「やだよ。あたしは昔から勉強を始めると頭が痛くなるんだから。」
「毎晩、勉強していると言っておきながら、何の進歩もないんじゃ怪しまれるぞ。
少しずつで良いから勉強していこう。さぁ、ペンを持って…」
「えええ~~~っ!」
*
「遅い時間にすみません、ジネットさん、ヴェールです。」
「まぁ、ヴェールさん、どうされたんですか?」
「サリーさんがレヴさんに勉強を教わるとかで、邪魔だと追い出されてしまいました。」
「まぁ、そうだったんですか。…どうぞ。」
「あ、ジネットさん、もう寝間着だったんですね。
やはり私は…」
「大丈夫です。」
ジネットは慌ててガウンを羽織った。
「お茶でも煎れますね。」
二人っきりだと照れくさくなかなか言葉が出て来ない…
気を遣ったジネットがやっと口を開いた。
「あ…あの…サリーさん、一体どうされたんでしょうね?
お二人の姿を見て、ご自分もお勉強される気になられたんでしょうか?」
「そうかもしれませんね。
サリーさんはなにか思いつかれたらすぐに行動に移される方ですから…」
「最近は伝承の研究はいかがですか?」
「それが、なかなか進まない状態なのです。
探している情報がみつからないもので…」
「そうなんですか…大変なんですね…」
「ええ……」
その言葉を最後に、また部屋の中には沈黙が流れた…
「……遅いですね。まだ勉強されてるんでしょうか。
ちょっと見てきます。」
気まずさにいたたまれなくなったヴェールは部屋を出て行った。