緑と石の物語
*
その後もレヴ達は町から町を歩いたが、依然として何の情報も得られなかった。
その間には大きな町もあるにはあったのだが、そこでも宝石にまつわる有力な話は聞けず、ただ、宝石を売りつけられそうになっただけだった。
「レヴ…どうする?
どこかで進路を変更するかい?」
「…そうだな。
それも良いかもしれないな。
これほどまでに情報がないとは考えてもみなかった。
赤と緑というイメージに思い当たるものさえ、皆目みつからないのだからな。」
「そうだよね。
それに、ヴェールとジネットもまったく進歩ないみたいだよ。
いまだに『ヴェールさん』『ジネットさん』だからね。
あたしの努力はなんだったんだよ~!」
「無駄だったともいえないぞ。
君はずいぶんと進化したではないか。
スペルの間違いもなくなってきたし、字も格段にうまくなってきた。」
「だけどさ、ジネットが帰る半年まではもうあんまりないんだよ。
こんな調子じゃこの旅もいつまで続くかわからないっていうのに…」
「そんなことを言っても私達が強制するようなことでもないからな。
彼らは純粋だから、きっと離れても心変わりをする事などないだろう…」
「あんたは本当に甘いね。
ジネットもあの通りの美人だし、森に帰ったら誰かに言い寄られるかもしれないじゃないか。
ヴェールがおち込む姿はもう見たくないからね!
なんとかうまくいってほしいんだよ。
でも、あの二人、まだ手も繋がないんだから…
あぁ、まったくイライラするね!」
「彼等は一緒にいるだけで幸せなのだよ、きっと…」
気が付けば、西の森を出てからもう五ヶ月と少しの時が経っていたのだ。
サリーが焦るのも無理はない話だが、だからといってジネットとヴェールのことも魔石のこともどうにか出来る事でもない…
ある朝のことだった…
「では、私達はまた伝承の聞きこみに行って来ますね。
夕方には戻りますから…」
「はい、わかりました…」
「……ジネット、どうかしたのかい?
なんだか顔色が悪いようだけど…」
「いえ…たいしたことは……
あ……」
ジネットの身体が突然バランスを崩した。
「ジネット!大丈夫かい?!」
咄嗟に駆け寄ったサリーがジネットを支える。
「あれ?ジネット…あんた、なんだか身体が熱いよ。
熱があるんじゃないのかい?」
「まさか…!」
「まさかじゃないよ。
ねぇ、レヴ、ジネットが熱っぽいみたいなんだけど…」
レヴがジネットの額に触った。
「そうですね。少し熱っぽいようです。
今日はゆっくり休まれた方が良さそうですね。」
その後もレヴ達は町から町を歩いたが、依然として何の情報も得られなかった。
その間には大きな町もあるにはあったのだが、そこでも宝石にまつわる有力な話は聞けず、ただ、宝石を売りつけられそうになっただけだった。
「レヴ…どうする?
どこかで進路を変更するかい?」
「…そうだな。
それも良いかもしれないな。
これほどまでに情報がないとは考えてもみなかった。
赤と緑というイメージに思い当たるものさえ、皆目みつからないのだからな。」
「そうだよね。
それに、ヴェールとジネットもまったく進歩ないみたいだよ。
いまだに『ヴェールさん』『ジネットさん』だからね。
あたしの努力はなんだったんだよ~!」
「無駄だったともいえないぞ。
君はずいぶんと進化したではないか。
スペルの間違いもなくなってきたし、字も格段にうまくなってきた。」
「だけどさ、ジネットが帰る半年まではもうあんまりないんだよ。
こんな調子じゃこの旅もいつまで続くかわからないっていうのに…」
「そんなことを言っても私達が強制するようなことでもないからな。
彼らは純粋だから、きっと離れても心変わりをする事などないだろう…」
「あんたは本当に甘いね。
ジネットもあの通りの美人だし、森に帰ったら誰かに言い寄られるかもしれないじゃないか。
ヴェールがおち込む姿はもう見たくないからね!
なんとかうまくいってほしいんだよ。
でも、あの二人、まだ手も繋がないんだから…
あぁ、まったくイライラするね!」
「彼等は一緒にいるだけで幸せなのだよ、きっと…」
気が付けば、西の森を出てからもう五ヶ月と少しの時が経っていたのだ。
サリーが焦るのも無理はない話だが、だからといってジネットとヴェールのことも魔石のこともどうにか出来る事でもない…
ある朝のことだった…
「では、私達はまた伝承の聞きこみに行って来ますね。
夕方には戻りますから…」
「はい、わかりました…」
「……ジネット、どうかしたのかい?
なんだか顔色が悪いようだけど…」
「いえ…たいしたことは……
あ……」
ジネットの身体が突然バランスを崩した。
「ジネット!大丈夫かい?!」
咄嗟に駆け寄ったサリーがジネットを支える。
「あれ?ジネット…あんた、なんだか身体が熱いよ。
熱があるんじゃないのかい?」
「まさか…!」
「まさかじゃないよ。
ねぇ、レヴ、ジネットが熱っぽいみたいなんだけど…」
レヴがジネットの額に触った。
「そうですね。少し熱っぽいようです。
今日はゆっくり休まれた方が良さそうですね。」