緑と石の物語
「……友達……?」

「…そうだろ?」

「…サリーさん…私のことを友達だと……」

ジネットの頬にはさらに涙が溢れ出す。
しかし、それは今までの悲しい涙とは違う…
熱い嬉し涙だった。

まさか、サリーの口からそんな言葉を聞くとは思ってもいなかったから…



(……友達……)

「友達」だと思ってくれているのなら、すべてを打ち明けても自分のことを見捨てずに、手助けをしてくれるかもしれない…
だけど、事情が事情だ…
人間ではないということがわかったら、そのとたんに心変わりをされてしまうかもしれない…
いや、それがむしろ当然の反応だ。
ジネットの心は揺れ動く。



(…どうしよう…
…私はどうしたら良いのかしら…?)



「ジネットさん…
大丈夫ですか?」

「あ…はい、取り乱してしまって申し訳ありません。
なんだか、皆さんの顔を見てたらほっとしてしまって…」

「なんだよ。もう帰って来ないとでも思ってたのかい?」

「いえ…
ただ、あまりにも手がかりがみつからなくて…
少し気分が滅入っていただけなのです。
ご心配をかけて申し訳ありません。」

「…そうでしたか…
お気持ちはわかりますよ。
だけど、焦らないで下さい。
焦りは不安を生み出すだけです。
必ずみつかると信じることですよ。
信じるということはたやすいことではありませんが、だめだ、無理だと思ってしまった時点で、物事は明るい未来をなくしてしまうんじゃないかと思うのです。
つまりは、諦めてしまうことが可能性をなくしてしまうということではないかと…」

「おっ!
レヴ!たまには良いこというね!
そうだよ!
その通りだよ。
ジネットが諦めたら、そこでおしまいなんだよ。
私達もこれまで…」

「……サリーさん達にも何かあったんですか…?」
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