緑と石の物語
次の日の朝が来た…



「父上、母上、近いうちに結婚式を挙げたいと思います。」

レヴは朝食の席でそう宣言した。



「そうか!それはめでたいことだな。」

「ヴェールは、近々、故郷に帰らねばならないので、それまでにと考えております。」

「ずいぶん急な話なんだな。」

「式とはいっても、ごく親しい者だけでささやかに挙げるつもりですので…」

「私達はかまわないが、リーズさんはそれで良いのかね?」

「はい、お義父様、私は元々華やかな席は苦手なので、その方が助かるのです。」

「そうか、リーズさんがそう言うのなら…」

それから、慌しい勢いで結婚式の準備が整えられた。
ウェディングドレスは、リーズのたっての希望で母親のものを着ることになった。







「レヴ様…私、眠ってる間になぜだか教会の夢を見ていたんですよ。」

「教会の…?」

「ええ…
はっきりとは覚えてないんですが、私はその教会に毎日白百合を持っていくんです。
教会に行くのが、私はとても楽しくて…」

「君は、夢の中でも白百合が好きなんだな。
教会は、結婚式のことを考えていたからなのだろうか…」

「さぁ…それはわかりませんが…
とにかく…楽しい夢でした。」

「夢には私は出てこなかったのか?」

「ええ、残念ながら…」

「冷たい妻だな…」

「夢で会うより、私はこうやって現実に会える方が嬉しいですわ。」

リーズはレヴの首に腕をまわし口付けた。



「リーズ…これから先…予想もしないような辛いことが待っていたとしても、私について来てくれるか?」

「ええ、もちろんです。」

「もしも、大切な人達と別れることになっても…それでも私についてきてくれるか?」

「ええ…
どんなことになっても、私はレヴ様のお側を離れません。」

「そうか……
ありがとう、リーズ。
これからは、君を一生守っていくことを私は誓う…
愛している、リーズ。」

「レヴ様…私も愛しています…!
これからもずっと…!」
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