緑と石の物語
「やっぱり、おかしいよ!」

「そうだな…あの様子はただごとではないな…」

「……しかし…私には、どうしてもジネットさんが悪い人だとは思えないのですが…」

ヴェールは辛そうな声でそう呟いた。



「ヴェール、あんた、今のジネットを見ててもまだそんなことを言うのかい?」

「サリー、確かにジネットさんが森の民に関わる何かを調べていることは事実だと思うが、だが、その目的がわかったわけではないぞ。
もしかしたら、なにか深い事情があるのかもしれない…」

「……深い事情ねぇ…」

「とりあえず、これからは今まで以上に気をつけなくてはいけないな。
そして、彼女の目的を探ってみよう…」

「そうですね……
今はそうするしかありませんね。」

ヴェールの声は、先程よりももっと沈んだものだった。

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