緑と石の物語
「リーズさんは百合がお好きなのですか?」

気まずい空気を変えるために、レヴは他愛ないことを口にした。



「ええ!花はなんでも好きですが、中でも白百合は一番好きなんです。」

「道理で…」

「何ですか?」

「あなたは、まるで白百合のような人だ。
その白いドレスもとてもお似合いだ。」

「そんな………」

リーズは、真っ赤になって下を向く。
そんなこと位で真っ赤になるような純情な女性をレヴは今まで見たことがなかった。



「リーズさん、お宅はこのお近くなのですか?」

「はい。馬車で半時間程の所です。」

「明日、友人達とこのあたりを散策したいと思っていたのですが…もしよろしければ案内していただけないでしょうか?」

「わ、私がですか?!」

「えぇ…
無理でしょうか?」

「そ、そんな!
無理だなんてことありません!
わかりました。
明日、お迎えに参ります。
では、私はこれで…」

リーズはまたもそそくさと走り去った。
そんなリーズの姿に、レヴの顔がふっと綻んだ。
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