緑と石の物語
*
「レヴ様のお屋敷でご迷惑をかけるんじゃないぞ!」
「兄さん、私、本当にレヴ様のお屋敷にお邪魔して良いのかしら?」
「今更何を言ってるんだ。
もう、レヴ様もご友人もすっかりその気になられているぞ。
馬車の用意までして下さってるんだから、今になって行かないなんて言う方が迷惑になるだろう。」
「……私…心配だわ…」
「エリサも行くんだ。
心配することはない。
数日遊んだら帰ってくれば良いじゃないか。」
「……そうですね…」
生まれて初めての旅行。
しかも、それが大好きなレヴの屋敷なのだ。
リーズの緊張が大きいのも無理はなかった。
エリサは、リーズより少し年下だが、とてもしっかりしたメイドだ。
この屋敷に奉公に来てから、リーズとは使用人と主という垣根を越えて、友人同士のように仲良くしていた。
「とにかく、なにかあったらエリサに相談しなさい。
彼女ならきっとなんでもうまくやってくれるから。
さぁ、早く寝ておかないと明日起きられないぞ!」
「はい。兄さん。」
そう言って横にはなったものの、リーズはなかなか寝つけなかった…
*
「なんでだよ!!」
部屋の中にサリーの怒声が響いた。
「…なんでと言われても…
話の流れでそうなったのだ。」
「ここから帰ったら、また旅に出るって言ったじゃないか!」
「あぁ、もちろんそのつもりだ。
ただ、ほんの少し、その予定が伸びただけではないか。」
レヴにはサリーの激しい苛立ちの意味が皆目わからなかった。
「そうですよ!
レヴさんのご両親も本当はレヴさんに家にいてほしいと思われてるはずですが、それでもまた旅に出ることを許して下さってるんですよ。
ですから、もう少し位家にいても良いではないですか。
一度旅に出たら、いつ戻れるかわからないんですから…」
「……それはわかるさ。
でも、なんであの娘がついて来るんだよ!
だいたい今日だって、遠出には行かないって言ってたくせに、なんで行ってんだよ!」
「それは、昼食が馬に乗せきれなかったそうですわ。」
「また、それかい…
なにかっていうと、馬鹿みたいに料理ばっかり持ってきて…」
「でも、サリーさん、今日のお料理もとってもおいしかったんですよ!
あんなにたくさんあったのに、結局、みんなで食べてしまって…」
「あんなの、どうせメイドに作らせてるんだよ!」
「そうでしょうか?
私はリーズさんが作られてると思いますよ…」
「い~や、絶対、メイドだね!
私にはわかる。」
「レヴ様のお屋敷でご迷惑をかけるんじゃないぞ!」
「兄さん、私、本当にレヴ様のお屋敷にお邪魔して良いのかしら?」
「今更何を言ってるんだ。
もう、レヴ様もご友人もすっかりその気になられているぞ。
馬車の用意までして下さってるんだから、今になって行かないなんて言う方が迷惑になるだろう。」
「……私…心配だわ…」
「エリサも行くんだ。
心配することはない。
数日遊んだら帰ってくれば良いじゃないか。」
「……そうですね…」
生まれて初めての旅行。
しかも、それが大好きなレヴの屋敷なのだ。
リーズの緊張が大きいのも無理はなかった。
エリサは、リーズより少し年下だが、とてもしっかりしたメイドだ。
この屋敷に奉公に来てから、リーズとは使用人と主という垣根を越えて、友人同士のように仲良くしていた。
「とにかく、なにかあったらエリサに相談しなさい。
彼女ならきっとなんでもうまくやってくれるから。
さぁ、早く寝ておかないと明日起きられないぞ!」
「はい。兄さん。」
そう言って横にはなったものの、リーズはなかなか寝つけなかった…
*
「なんでだよ!!」
部屋の中にサリーの怒声が響いた。
「…なんでと言われても…
話の流れでそうなったのだ。」
「ここから帰ったら、また旅に出るって言ったじゃないか!」
「あぁ、もちろんそのつもりだ。
ただ、ほんの少し、その予定が伸びただけではないか。」
レヴにはサリーの激しい苛立ちの意味が皆目わからなかった。
「そうですよ!
レヴさんのご両親も本当はレヴさんに家にいてほしいと思われてるはずですが、それでもまた旅に出ることを許して下さってるんですよ。
ですから、もう少し位家にいても良いではないですか。
一度旅に出たら、いつ戻れるかわからないんですから…」
「……それはわかるさ。
でも、なんであの娘がついて来るんだよ!
だいたい今日だって、遠出には行かないって言ってたくせに、なんで行ってんだよ!」
「それは、昼食が馬に乗せきれなかったそうですわ。」
「また、それかい…
なにかっていうと、馬鹿みたいに料理ばっかり持ってきて…」
「でも、サリーさん、今日のお料理もとってもおいしかったんですよ!
あんなにたくさんあったのに、結局、みんなで食べてしまって…」
「あんなの、どうせメイドに作らせてるんだよ!」
「そうでしょうか?
私はリーズさんが作られてると思いますよ…」
「い~や、絶対、メイドだね!
私にはわかる。」