〜その唇は嘘をつく〜
苦悩する男
俺の初恋は6才だったと思う。
3歳違いの隣の女の子
柚月
俺の目を見ていつもニコニコ笑う柚月が可愛くて仕方なかった。
だから、夏祭りのあの日
子どもながらに真剣にプロポーズをした。
誰かのものになる前に自分だけの柚月にしたかったんだ。
大きな瞳を輝かせて
オモチャのネックレスを欲しがる柚月。
いや…欲しがっていたか記憶は定かじゃないが、光りに反射してキラキラ光るそれを見ていて離れなかった。
側にいる俺よりもそれが欲しいのか⁈と幼いながら、すでに独占欲をむき出しだったのを覚えている。
だから、俺は姑息な手段を使った。
俺だけを見るように仕向けて、他の何ものにも見向きしないように柚月をがんじがらめにする。
それが最初の始まり
そして…俺の苦悩の始まりだった。