魔王のオモチャ
「光くんをここに連れてきたのは……
僕なんだよ〜」
「えっ……?」
サビトさんが俺をこの世界に連れてきた…?
「な、なんで俺を…」
「光くんは、勇者の素質があったからさ
それ以外に理由はないよ」
サビトさんは、たんたんとニコッと笑いながら俺に言ってきた
「サビト!!」
「シャーナ
いつかは分かるんだ
今言っても別にいいだろ?」
シャーナはサビトさんの胸ぐらを掴んだ
だけど、サビトさんはシャーナを手を払い、俺を見た
「ちょっと待ってよ〜
なんか、おかしくない?」
シュンが手を挙げて考え込むような感じで俺たちに言ってきた
「勇者ちゃんがサビトさんに選ばれた理由は分かったけど…
予言はどうなの…?
魔王が眠りから目覚めるとき、勇者が現れる
あれって、昔から伝えられてきたよね…?
おかしくない?
サビトさんが勝手に選んだ勇者ちゃんを連れてきても、勇者ちゃんは勇者にはなれないんじゃ…?
でも、勇者ちゃんは
背中に勇者の印もあるし、勇者の剣も手に入れた
一体、どういうこと…?」
「た、確かにそうですよ…っ!
さ、サビトさん!どういうことですか!?」
シュンとニーナは混乱しながらもサビトさんに聞いていた
俺は訳が分からなくて
ただ呆然と座ってみんなを見ていた