魔王のオモチャ
「光くんの背中にある紋章は僕が
光くんを連れてきたときにつけたんだよ
どう?カッコイイでしょう?」
「…いや、俺からは見えないんで…」
前に一度見せてもらったが…
あまり綺麗とは思わなかった
みんなは、綺麗だと言っていたけどな…
「あっ…そっか!
背中に紋章つけたんだった!
そりぁ、見えないか!
今から場所変えようか?」
「……別にこれでいいです…」
場所を変えても、結果的に
俺が勇者になるんだから意味がない
「その光くんが持っている剣も僕が前もって造ったやつだよ〜
勇者の剣だからね〜
悪魔を倒す剣じゃないとね〜
いやー
苦労したよ〜」
サビトさんは、俺の隣に置いといた剣を見てニコニコ笑って言ってきた
「………あなたの楽しみのために…
俺はこの世界に連れてこられたってわけですか…」
「僕だけじゃないけど…
まあ、そうなるね」
俺は席を立ち、サビトさんの前に立った
シャーナを退かせ、不思議そうな顔で見てくるサビトさんの顔を俺は力いっぱい殴った
「……っ…痛いなぁ…
いきなり、何するのー?」
「………ふざけるなっ!!
あんたの都合で俺を巻き込みやがって…っ!!
俺は何も分からず…
ここに連れてこられ、挙句に勇者だと言われ悪魔と命をかけて戦ってきたんだぞ…っ!!
それをあんたの遊びの駒として使われる
俺の気持ちを少しは考えろよ…っ!!」
勝手に連れてこられ…
悪魔と命をかけて戦って…
毎日混乱してばかりだった…
どうして俺が選ばれ、この世界に連れてこられたのか不思議に思っていた
それがサビトさんの楽しみのために
俺は連れてこられたなんて…
ふざけるな…っ!!