魔王のオモチャ
俺はサビトさんを怒りがおさまるまで
何度も殴ろうと胸ぐらを掴んだが…
「勇者…もうやめなさい…」
シャーナが俺の手を握り
悲しげな表情で俺を見て言ってきた
「………勇者様…っ!
お願いです…っ!!
サビトさんを許してあげてください!!
勇者様の苦しみや悲しみは分かりますが…
サビトさんをどうか許してあげてください…っ!!」
「………ニーナ…」
ニーナはサビトさんを庇うように俺の前に出ると、頭を下げてサビトさんを許してと言ってきた
「サビトさんは、長い間生きてきたから…
人の心を分からなくなっているだけなんです…っ!!
サビトさんは、本当はとっても優しい人なんです!!
お願いします…っ!!
サビトさんを許してあげてください…っ!!」
ニーナは地面に頭をつけ、涙を流しながらサビトさんの代わりに謝っていた
ニーナ…
なんで、そこまで…
俺には分からなかった…
俺をオモチャのように遊んでいたサビトさんに、どうしてそこまでするのかを…