魔王のオモチャ




僕は大人たちの目を盗んで

その日の夜に、こっそりと妹に会いに行った







妹が監禁されている部屋に行ったが…

そこには誰もいなかった









僕は、まさかと思い
僕を飼っている男の部屋に行くと…


妹が男と抱き合っていた





すごく嬉しそうに笑って…
男に抱かれていた











なんでだよ……っ!

今まで僕はお前のために胸を痛めながら殺人を犯してきたのに…





なんでお前は……

そんな嬉しそうに笑っているんだ!!





お前だけは、僕の味方だと思っていたのに……












そこからは、僕は何をしたか覚えていない

ただ、気がついたら
周りは血の海になっていた



屋敷の住人が赤く染まって倒れていた
その中には、妹の無様な姿もあった




自分の手足や服、顔が全て
赤い液体がついていて



一瞬で悟った

これは全て僕がやったのだと…










『正気に戻ったようだな?』





「……っ…!?」












声のする方を見ると……

この状況下で呑気に椅子に座っている
綺麗な顔をした男?が笑って言ってきた













綺麗な顔……

こんな綺麗な人…今まで見たことない…












僕はへらへらと笑っている男に見惚れていた




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