魔王のオモチャ






『正気に戻ったところで
今の状況、どうなってるか理解しているか?』







「…………」








『おいおい、黙りかよ?
分かってんだろ?自分がしたこと』









「見れば分かるよ…
僕がやったんでしょう?」












自分の今の姿を見て
何があったのかなんて、子どもでも分かる












『へぇ……

意外と冷静だな?』









「今まで同じようなことをしてきたからね…

そんなに驚かないよ」














記憶がないとはいえ…

僕が殺ったのは確かだ



妹を殺したとしても……

もう、どうでもいい












『よっと。

汚ねぇ…足場ねぇじゃねぇか』








「そこに座ってればよかったじゃん」













男はわざわざ椅子から立ち上がると……

僕の方に近づいてきて、目の前には男とは到底思えない綺麗な顔があった












『妹を殺して満足か?』








「………分からない…

満足したのかな…?
妹を殺した今でも、何も感じないんだ…」













長いこと殺人を犯してきたから
感覚が鈍っているのかな…?


何も感じない……













「僕を捕まえる?

僕は、今まで大罪を犯してきたんだ


僕を渡せば、国から
すごい報酬を貰えるかもしれないよ?」









『くはははっ!!』













僕の言葉にいきなり男は笑い出し
僕は驚いて身を縮めた




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