魔王のオモチャ
『俺がお前を人間に突き出すと思うか?
もしするなら、とっくにしてるはずだろ』
「………そうだね…
………あれ?人間…?」
男の言葉が引っかかり、首を傾げた
男は何故か自分の腕を噛み、腕から血を流していた
『俺は悪魔だ
おっと、そこらの悪魔と一緒にすんなよ?
俺は悪魔でも、魔王だからな』
「ま、魔王…っ!?」
ちょっと待ってよ…!
本当に!?
男が嘘をついているようには見えなかった
だけど信じられなかった
何故、魔王がこんな場所に!?
血の匂いを嗅ぎつけたのか?
『人間界で殺人を犯すヤツはごまんといる
だが、その中でも……
一番顔がよく、孤独に溢れているヤツは
お前だけだった
悪魔は、顔がいいと
より、力が強くなるらしいからな…
お前を悪魔にしたい
どうだ?悪魔にならねぇか?』
「ぼ、僕が…悪魔に…?」
悪魔……
史上最悪な連中……
だけど僕も似たようなもんだよね…
殺した人から見たら、僕は悪魔なのかもしれない
『おいおい
お前は、まだ悪魔じゃねぇだろ』
「なっ…心が読めるの!?」
魔王は、呆れたように僕を見つめて言ってきた
今の言葉からするに……
魔王は僕の心を読んだ
悪魔って人の心を読めると聞いたことあるけど、本当だったんだ…