魔王のオモチャ

魔王の命令






〜 シャーナ 視点 〜









これで魔王の配下のものは全員倒した
でも、倒しただけでコイツらは生きている…

殺さないと…




私はそのまま魔力で、倒れている上級悪魔を殺そうとしたとき…










「し、シャーナ…」










私の後ろから声が聞こえ振り向くと
勇者がお腹を抑えて不安気に私を見ていた









バレてしまった…
勇者に…

私が悪魔だということを…


知られたくなかった…
勇者にだけには…知られたくなかった…

何故そう思うのかなんて分かりきっている



勇者に恋をしている私は…
勇者に嫌われたくなかったからだ…


悪魔だと知れば…

私を嫌うかもしれない
だから、私は悪魔だということを隠していた




だけど…もう…










「シャーナ…っうぅ…」





『ゆ、勇者…っ!』










勇者は私に近づこうと足を進めたら
お腹の傷が痛みだし、その場に倒れそうになっていた

私は勇者が倒れる前に抱きとめた











『勇者…ごめんなさい…
私、あなたを今まで騙していた…

私は魔王に血を無理矢理、飲ませられて
悪魔に………』









「シャーナ、いいんだよ」













勇者は顔を上げ、ニコッと笑っていた











「知ってたから……」





『えっ…?』







グサッ……










私のお腹に痛みが走り、私は痛みの走るお腹を見ると…

お腹には剣が刺さっていて…
勇者が私に剣を突きつけたんだと分かった










『ど、どうして……勇者…』











私はその場に倒れ、顔を上げ勇者を見た
勇者は、私から剣を取ると血を拭いて
私を見てニヤッと笑っていた













ゆ、勇者……

そんなに悪魔になった私が嫌いなの…っ?



勇者……







< 160 / 226 >

この作品をシェア

pagetop