魔王のオモチャ







「シャーナ!」








『勇者!お願い…

私をその勇者の剣で殺して…っ!』









「な、何言ってんだよ…っ!?」









『お願い…っ』














そうしないと……

私は、あなたを殺してしまう…っ!














「い、嫌だ…っ!

そんなの出来ない!」










『勇者……』








「……ぐはぁ…っ」








『勇者…っ!!』















私は勇者の言葉に嬉しさを感じたが…

私の身体は、勇者を殺そうと攻撃を続けていた












『ふはははっ…
どうだ、シャーナ

愛する勇者を自分の手で殺す気分は!』









『ま、魔王…っ!』















魔王は私たちの様子を見て高笑いして
私に言ってきた














「ま、魔王…っ!!
なんで、シャーナを傷つけるんだよ…っ!

お願いだから…
シャーナを解放してくれ…っ!」
















勇者は、悲しそうな顔で私を見つめると
魔王に向かって叫んだ














『フフッ…
あなた知らないの?

魔王は女嫌いなのよ
その女がどうなろうが興味がないの



魔王、あなたも酷いわね〜

女嫌いだからといって、こんな残酷なやり方をするなんて〜』












『フッ…
俺は悪魔だぞ?

残酷なやり方で悪いか?』












『悪くないわ〜

私は、そんな魔王も好きだもの♡』
















マーリというオカマの悪魔は
ニコッと笑った後、魔王に抱きついていた














魔王が女嫌いなのは分かっていた…

だけど、魔王の私に対する態度が他の女たちより異常だ




私を見る魔王の目は……



怒りはあるが…

何故か悲しんでいるようにも見える…






私は村の人たちを殺されるまで

魔王と関わった覚えはない



何故、私を魔王は憎んでいるの…?














『苦しいか?
もっと苦しめ

勇者を殺したときの絶望…
見ものだな』
















どうすればいい…?

どうすれば、勇者は助かるの…っ!?







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