魔王のオモチャ
先代魔王
〜 魔王 視点 〜
一体、誰だコイツは…
俺の城には、簡単に入れないよう結界を張ってあるはずだ
何故、この男が俺の城にいる…
「シャーナ、君言ってたよね?
魔王を倒すって…
で、これなに?
魔王はピンピンしてるし
勇者は死んでるし
全く面白くないんだけど」
『……サビト…』
奇妙な恰好をした男は、シャーナに近づくとヘラヘラ笑っていたが…
目は恐ろしいほど鋭く冷たかった
シャーナの知り合いか…?
だけど、なんだコイツ……
何故、俺はこの男に……
怯えている…!
「君も君だよね〜?
勇者と遊びたいって言ってきたのは君だろ?
シャーナが、勇者に恋したくらいで
勇者を簡単に殺しちゃうなんてさ〜
思い出しちゃったのかな〜?
彼女のことを……」
『てめえ……誰だ』
何故、そのことを知っている…
それは、アイツしか知らないはず…
「あれ?まだ気づかないの?
悪い子だな、トヨ
僕がもう一度、躾直そうか?」
『………っ!!
てめぇ、まさか…!!』
俺の名前を知っていて
しかも、俺の過去を知っている人物で
こんなことを言うのは、一人しかいねぇ…!
『オヤジ…っ!!』
「ピンポーン!!
大正解♡」
男がそう言った瞬間…
男は煙に包まれて、煙が消えると
煙の中から、さっきとは
まるで姿が違う男……
爽やかな笑みを浮かべ
とても端正な顔立ちで
先代魔王…
イバンがいた