魔王のオモチャ
しばらくして、俺が見ていたものはなくなり真っ暗な部屋に一人、俺は佇んでいた
『はぁ〜い。どうだった?
魔王……いや…トヨの過去は』
「お前……っ!!」
俺に光が当たったと思ったら
別の方からも光があり、その光が俺に近づいてきたと思ったら
トヨを悪魔にした、悪魔がニコニコ笑って俺に言ってきた
『僕の計画ではさ〜
グレンダがトヨを殺して
トヨがグレンダに恨みを持って
僕に悪魔にしてくれっていう計画だったんだよ〜
そのために、わざわざグレンダに
トヨが悪魔になったと伝えて、悪魔を殺せるナイフを渡したのに……
伝えるのが少し遅くなっちゃって
トヨは、グレンダに殺されずに悪魔になっちゃった
まあ、結果的に
悪魔になったからいいんだけどね?』
「ふざけるな……っ!!」
俺は、悪魔の頬を思いっきり殴った
悪魔は、バランスを崩して
その場に座り込んだ
「お前が……っ
お前が二人の邪魔をしなければ、二人は……」
『ん?それは違うよ?
僕は、何もしてなかっただろ?
君も見てたじゃないか
トヨとグレンダは、互いの想いがすれ違い
こういう結果になったんだよ?
僕は、何もしていないよ』
「いや…!お前は、何かしたはずだ!!
さっき見てたのには、出ていない部分が何箇所かあるはずだ!!
だって、おかしいじゃないか!
トヨとお前が話している場面……
明らかに、あれは初めて会ったもの同士の会話じゃなかった!
お前は、まだ俺に見せてない部分があるはずだ!」
あれには、幾つも変な場面があった
コイツは、まだ隠している
俺に見せてない部分が……!
『へぇ………
なかなか頭がキレるじゃないか
君を勇者に選んだ僕は、天才だね』
「え………?」
悪魔は、ニヤリと笑うと
立ち上がり、俺を見つめていた
こ、コイツ……
な、何を言っているんだ……?
俺を勇者に選んだ……?
ば、馬鹿な!
俺を勇者に選んだ人は、サビトさんのはず……
コイツは、何を言っているんだ……!?