魔王のオモチャ







『あっ、そっか〜!
光くんには、まだ知られてないんだっけ?

んじゃ、見ててよ〜

よいしょ…っと…!!』










「え………!?う、嘘だろ………」














悪魔は、そう言うと
自分の身体の周りから煙が出て

その煙が消えると……
悪魔が………



サビトさんに変わっていた













『どう?驚いた〜?
じゃじゃーん!!


悪魔の正体は……

サビトちゃんだったぁ☆』









「な、なんで……さ、サビトさんが…」













ピエロの格好をしたサビトさんは
人差し指で自分の頬をあて、ニコニコと笑っていた


まるで、可愛く見える〜?とか言う感じで……













『なんでって、言われても〜

僕が先代魔王で
有名な魔術士なんだから……


これ以外に説明出来ないよ〜?』















意味が分からない……

サビトさんは、トヨに血を与えたゲスな悪魔だった……のか?



で、でもなんで…っ

人間のフリして魔術士なんて……っ!




このこと、シャーナやニーナは知っていたのか…!?




いや、ニーナはともかく……

シャーナは、知っていたんだろうな……




シャーナは、悪魔だったんだから……













『あれ?なんか落ち込んでる?

光くんから、悲しみ……
僕からしたら、美味しそうな匂いがしてるよ〜?




悲しみや恐怖……

負の感情は、僕たち悪魔にとって蜜の味だからね〜』










「シャーナは………」











『……………フフッ。
あっ!そうだ!

言い忘れてたけどぉ〜


シャーナは、グレンダの生まれ変わりだよ〜?

僕がグレンダの魂を持っていたから
いつでも生まれ変わりを創ることが出来たんだよ〜』











「し、シャーナが……

グレンダの生まれ変わり…っ!?」













た、確かに
二人は似ていると思っていたけど……

生まれ変わりなんて……













『このこと、トヨもシャーナも知らないよ〜

フフッ。言ったら、どうなるかな〜?


トヨは、グレンダに未練タラタラだし
シャーナも元はグレンダの魂……
トヨを愛する気持ちは変わらないだろうからね〜


また、二人は愛し合っちゃうのかな〜?』









「トヨとシャーナが………」












二人の想いは、本物だ

引き裂かれただけで………




トヨもシャーナも

この事実を知れば、また愛し合う………







< 181 / 226 >

この作品をシェア

pagetop