魔王のオモチャ
『『『ま、魔王……っ!』』』
『なんだ……?
お前らも負けたのかよ…?』
俺は声のする方を見ると……
ギーラたちが屈辱を受けた表情で、その場に倒れていた
『………っ………フッ…
完敗だ。
お前の勝ちだ、勇者』
「違うよ、トヨ……
俺は一人で勝ったんじゃない
みんながいたから勝てたんだ
だから、俺の勝ちじゃなくて……
俺たちの勝ちだよ」
甘ぇ……
俺は、こんな甘いこと言ってるヤツに負けたのか…?
仲間がいたから?
はっ。そんなの綺麗事だ
お前なら仲間がいなくても俺を倒せたはずだ
その剣やお前の気持ちがあればな…
『他人なんて信じても意味がねぇ
利用されるか裏切られるかだ
信じても意味がねぇんだよ』
「でも、お前は………
ギーラたちを信じているんだろ…?
信じていなかったのなら……
シュンたちの相手を任せたみたいなことはしないだろ…?」
ギーラたちを信じる?
『フッ。信じてるわけねぇだろ!!
ギーラたちが死んでも俺は何とも思わねぇんだよ!!
コイツらは、ただの俺の駒だ!
駒が役に立たないなら
また、新しい駒を見つけるだけなんだよ!』
『『『ま、魔王…………』』』
俺の外見しか見てねぇ奴等を……
俺が好きになると思ってんのか!?
信じてると思ってんのか!?
ギーラたちが勇者の仲間に殺されたとしても俺は何とも思わねぇ!
また、俺に仕えそうな人間を悪魔にするだけだ!
『やっぱり、あなたは………最低ね!』
『あ?てめぇに言われたくねぇんだよ
雌ブタが!
気に入った男が出来れば
すぐに男を変えるくせによ!』
一番てめぇが、誰も信じていねぇだろうが!
俺が最低?
てめぇの方が何倍も醜く最低なんだよ!
『あなたの戯言に付き合いきれないわ
死んで』
『なっ……!!』
シャーナは、俺に近づくと……
液体が入っている小さな小瓶を取り出し
俺にその液体をかけた
『ぐぁぁあ……っ!!
な、なんだこれ……っ!!
や、やめろ!ち、力が……っ
俺の力が…っ………無くなっていく…!』
シャーナがその液体を俺にかけると
俺の身体から煙が出て、俺の残り少ない魔力が失っていった
やめろ……っ!
力が…っ
力が無くなっていく…っ!
『あ"ぁぁぁぁぁぁあ!!』
胸が張り裂けそうな痛みが走り
俺は胸を抑え叫んだ