魔王のオモチャ
〜 サビト 視点 〜
「どう?調子は」
「…………………最悪だ、クソ親父」
僕を鋭く睨みつけるトヨは……
地下牢に、大の字で手足を鎖で拘束されていた
「まだ僕を親父って言ってくれるんだね〜
もうトヨは、悪魔じゃないのに〜」
「あ"?俺は悪魔だ
人間に戻されても、俺は悪魔だ
今度は、親父の血を全部飲んでやるからな
覚悟しろよ、クソ親父」
うわぁお!
トヨってば、ホント怖〜い!
僕の血を飲んで、また悪魔に戻るつもりなのか〜
しかも僕の血を全部って〜
僕、死んじゃう〜?
「それで?
俺のとこに来た理由はなんだ?
こんな姿の俺を笑いに来たか?」
「そんな〜
僕は、そんなことしないよ〜?
自分の息子のそんな姿を見て
パパである僕が、笑えるはずないだろ〜?」
「じゃあ、俺が処刑される日が決まったことを伝えにきたか?」
「あれ?トヨって処刑されるの?
僕の聞いてる話と違うような……」
あの女王様が……
トヨを処刑するために、トヨを僕に捕まえてとお願いはしていない
だって女王様がトヨを捕まえたい理由は……
「処刑だろうが
俺があの女の………
愛人にされるんだからな
俺にとって、首刎ねられるより
ずっと酷いことだ」
「ハハッ」
そっか〜
そうだよね〜
トヨにとったら……
女と戯れることは、処刑されるも同然だよね〜
「女王様って……
イケメンの男を見つけたら
すぐに自分のものにしたい人らしくてね〜
魔王が絶世の美男子と聞いたら……
僕に、そいつを頂戴!と言ってきたんだよ〜
ハハッ。人間の女ってホント凄いよね〜?
魔王が欲しい!なんて言い出すんだから〜」
「…………………あの女…
オヤジと契約したのかよ……」
「違う違う。違うよ、トヨ〜
女王様は、僕が悪魔だと知らない
ほら!僕って、人間界では魔導士サビトだからさ〜
普通に、依頼されたわけだよ〜
一応、人間界では
世界一の魔導士だから……
なんでも出来るって思って依頼してきたんだと思うよ〜」
僕が女王様と契約するはずないじゃ〜ん!
女王様の魂って、他の奴等と同じくらい腐ってるし〜
僕がそんな魂を欲しがるはずないだろ〜?