魔王のオモチャ
「サビトさん……
サビトさんにとって、私って……」
「道具だよ」
僕は、食事をするのを止めて
ニーナを真っ直ぐみて、ニコリと微笑みながら言った
ニーナは、僕のその言葉にショックを受けたのか手を止め僕を見てきた
「僕にとって、ニーナは道具だよ
それ以外に、どんな感情があると思っていたの?
ニーナは、他の人間たちと違って
少し魔力を持っていたから、拾って育てただけだよ
僕の計画通り、勇者の仲間になり魔王を倒した
すごく面白かったよ〜!
ありがとね、ニーナ!」
「サビト…さん……」
「だからもう僕にとってニーナは必要ない
好きなとこに行って自由に暮らせばいいよ」
ニーナは、僕の言葉に涙を流して
家から出て行った
僕は、家を出て行ったニーナを止めず
目の前にある食事を黙って見つめていた
悪魔は、人間が食べるようものは食さない
悪魔の食べものと言ったら……
人間の血だからね…
それがあれば悪魔は生きていける
ニーナにバレないように、ニーナが作った料理を食べていたが……
最初は、本当に不味くて食べられたものではなかった
何度もトイレに行って吐いたりしていた
ニーナが僕のために一生懸命作る姿を見て……
悪魔にそんな一生懸命に作るなんて馬鹿だな……と思いながら心の中で笑っていた
だけど、そんな馬鹿なところが可愛く思えてきて……
いつしか、ニーナが作った料理を吐かずに食べれる自分がいた
慣れって、スゴイなぁ〜とか思っていたけど……
料理を食べれる自分は、慣れたから食べることが出来たのかな?と今思った
「ニーナ
ゴメンね……」
僕は、誰もいない部屋で一人呟いていた