魔王のオモチャ
「いいから、落ち着けって……っ!!」
勇者は、俺らの間に入ると
俺らの言い争いを止めてきた
「争ってる場合じゃねぇだろ!
魔王を助けるんだろ?
なら、協力しないとダメだ!」
『協力って……』
「お前ら、女王様がいる城に行くつもりらしいが……
どうやって、中に入るつもりだよ?
まさか、外から城を破壊しようとか考えてねぇだろうな?
今、トヨは人間なんだぞ
そんなことしたら、瓦礫に埋もれて死ぬかもしれないんだぞ」
『じゃあ、城の中に忍び込んで……』
「無駄だ
城の周りには、サビトさんがかけた
悪魔対策がしてある
城の中にお前たちは入れない」
『そんな………っ』
じゃあ、どうすれば……っ
魔王を助けられるんだよ……っ!!
「俺が………
俺がトヨを救い出すよ」
『『『なっ………!!』』』
勇者は、真剣な表情で俺たちに言ってきた
『ふ、ふざけるな……っ!』
『こんなことになったのは……
元々は、お前が原因だろうが!!』
『そんな話、信じると思ってるの!』
魔王を助ける?
馬鹿言うんじゃねぇ!!
勇者が魔王を救うわけねぇだろ!!
誰がそんなこと信じるかよ!
「なあ………
お前らって、女王様が言うように……
この世界の人たちを苦しめてきたのか……?
人間を攫ったのは本当だとしても……
それって、お前らの意思関係なく
人間がお前らの美貌を見て、勝手に寄ってきただけなんだろ?
俺は、どうしてもお前らが悪い奴等には見えねぇ」
勇者の質問したいことってコレか……
俺らは、目を合わせ
仕方なく、勇者の質問に答えることにした