魔王のオモチャ
〜 光 視点 〜
『魔王は、眠る前に僕らにある命令をしたんだ』
「ある命令……?」
『魔王は、人間が嫌いだけど……
むやみに、人を襲うことはしなかった
何故かは分からないけど…ね?』
トヨは、人間を襲うことはしなかった……?
『魔王が私たち悪魔に言った命令は……
人間を襲うな…って命令なの』
『人間から仕掛けてきたなら対処するしかないが……
それ以外は、俺らは人間に手を出してねぇよ』
『人間を攫ったのだって、あっちが僕らの顔を見て言い寄ってきたから仕方なく攫ったまでだよ
僕らも欲はあるから、人間で遊びたいし食べたいって思うからさ』
やっぱり、そうだったのか……
ずっと女王様の言葉に違和感を感じていた
悪魔に苦しめられてると聞いたが……
悪魔に街を破壊されたとか、悪魔に取り憑かれたなんて聞いてはいなかった
なら、悪魔は本当に悪い奴等なのか……?
ずっとそう思っていた
「そ、それが本当なら……
私たちは……なんのために悪魔と戦って……」
『人間の言葉が全て本当だとは限らないわよ
悪魔よりタチが悪いって分かったでしょう〜?』
『それに俺らはともかく、魔王は人間を食べてねぇからな?
魔王は、人間の匂いも嫌いらしくて……
俺ら(悪魔)を殺さない程度に食べるからな?
まあ、俺らは魔王に食われることは……
一種のプレイって思ってるから快感なんだけどな?』
ブランの言葉に、二人の悪魔も
うんうん…と頷いていた
その言葉に俺は多少慣れたが……
ニーナは、すげぇ引いていた
『それで?
もう聞きたいことはないの?』
「ああ、もうない」
トヨは、悪くなかったんだ!
なら、トヨを気兼ねなく助けられる!
「じゃあ、トヨを助け出す作戦をしよう」
「はい!」
『うん』『えぇ』『おう』
そうして俺らは、トヨを救い出す作戦をたて
実行することにした