魔王のオモチャ
「この中から、どれか一つとかかな……?」
「フフッ。いいえ、違いますよ、勇者様
この部屋にある全てのものを差し上げます」
「えっ………えぇーー!!?」
俺は周りの奴等に聞かれないように
シャーナに問いかけたら……
女王様は地獄耳なのか、クスッと笑って
そう言ってきた
ま、マジか……
こんなもらってもいいのかよ……
ドォーン……っっ!!
「な、なんだ……っ!?」
大きな音とともに城が揺れ……
俺は、何が起こったのかすぐに気づき
シャーナたちにバレないように驚いたフリをした
「た、大変です!女王様…っ!!」
「な、何事です……っ!?」
俺たちのいる部屋に兵士が慌てた様子で中に入ってきた
「魔王の部下たちが、城を攻めてきました!!」
「「「「なっ……!!」」」」
俺とニーナは、兵士のその言葉を聞いて
目を合わせた
作戦実行の合図だ……っ!!
「女王様……っ!!
奴等の目的は、魔王です!」
「だ、ダメです……っ!!
ま、魔王は渡せません……っ!」
「承知しています
魔王を国民の前で処刑されるのですよね?
なら、それを実行するためにも魔王を奴等から守らなければなりません!
シャーナ、シュン!
お前らは、外にいる悪魔を倒してくれ
俺とニーナは、魔王を守る!」
「………………勇者…」
「そ、それは……」
「女王様!!このままでは魔王を奪われてしまうのですよ!?
早く魔王の居場所を教えてください!」
シュンとシャーナは、俺の様子に違和感を感じとったみたいだ
早く女王様に魔王の居場所を教えてもらわないとヤバい!
「ま、魔王は……ち、地下牢に…」
「分かりました!ニーナ、行くぞ!」
「はい!」
「ま、待ちなさい、勇者!!」
「勇者ちゃん!!」
「お前ら、悪魔を任せたぞ!」
俺を止めようとするシャーナたちの言葉を無視して
俺は、ニーナと部屋を出た